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歯列矯正で面長は治る?改善が期待できる歯並びや矯正歯科を選ぶ際のポイント等を解説

悪い歯並びを治すために行う歯列矯正。その治療の効果として、面長やガミースマイルなど、顔つきの印象が良くなることを期待している人も少なくありません。確かに、歯並び・噛み合わせは口元や下顔面の審美性も大きく左右する要素でもあるため、面長も改善できそうなものです。今回はそんな歯列矯正で面長は治るのかどうか、また歯列矯正が原因で面長やブサイクになる可能性をわかりやすく解説します。

歯列矯正で面長は治る?

結論からいうと、歯列矯正で面長が治るケースはあります。具体的には、歯並び・噛み合わせの異常が原因で、面長になっているケースです。詳細については後段で解説しますが、実際に歯列矯正で歯並びや噛み合わせを改善した結果、面長な印象が改善されたケースも少なくはないのです。一方、骨格的な異常が問題で面長になっているケースは、歯列矯正での歯並び・噛み合わせの改善だけでは、その印象を大きく変えることは難しいとされています。

歯列矯正で面長の改善が期待できる歯並び

歯列矯正で面長が改善される可能性のある歯並びの例を挙げます。

上顎前突(出っ歯)

出っ歯である上顎前突は、上の前歯が前方に傾いていたり、出ていたりすることで口元が膨らむため、その症状が面長な印象を与えることがあります。もしかしたらこの記事を読んでいる方も出っ歯による面長に悩まされているかもしれませんね。出っ歯で面長に見える場合の多くのケースでは、歯列矯正が有効でしょう。出っ歯の改善で面長の印象が変わるかどうかを知るために、まずは矯正相談を受けてみることを推奨します。骨格的な問題が大きくなければ、出っ歯の歯列矯正を受けることで、口元の突出感がおさまり、面長の症状も軽減されるかもしれません。

下顎前突(受け口)

受け口である下顎前突は、下の前歯が前方に出ているため、上顎前突とは逆の症状となります。とはいえ、口元が突出することに変わりはないことから、面長の原因ともなりやすいのです。そして、受け口も歯列矯正で治せる代表的な歯並びのひとつなので、歯並びの問題を解消することで面長の症状も改善できる見込みがあります。

叢生(乱ぐい歯)

叢生(そうせい)とは、デコボコの歯並びである乱ぐい歯を指す言葉です。ひと言で乱ぐい歯と言っても、症例によって見た目も大きく変わるため、一概に面長の原因となるとは言い切れません。ただ、乱ぐい歯の中にはスペースの不足によって口元が突出しているケースもあります。そうしたケースでは、抜歯をして歯並びをきれいに整えることで面長の症状も気にならなくなるかもしれません。歯列矯正によって口元の輪郭もスッキリします。

ガミースマイル

ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が目立つ症状で、面長に見える原因ともなりやすいです。そのため歯並び・噛み合わせの異常がガミースマイルの原因となっているケースなら、歯列矯正で面長も改善できる可能性があります。もともと上の顎の骨が長かったり、口腔周囲筋の活動が過剰であったりする場合は、歯列矯正だけでは限界があります。

歯列矯正で面長・ブサイクになったと言われる原因

続いては、歯列矯正によって面長やブサイクになったと言われる原因を解説します。

【原因①】矯正装置による口元の膨らみ

歯列矯正では、必ず何らかの装置を装着します。ワイヤー矯正ならマルチブラケット装置、マウスピース矯正ならアライナーと呼ばれるマウスピースです。これらは矯正装置である以上、少なからず厚みを持っています。とくにワイヤー矯正で使うマルチブラケット装置はとても厚く、装着後は口元が膨らむことになるでしょう。その症状は口ゴボに見えることもあれば、面長な印象を与えることもあります。そうした矯正装置による見た目の変化を最小限に抑えたい場合は、装置が比較的薄いマウスピース矯正や歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する裏側矯正を選択するようにしましょう。

【原因②】お口周りの筋肉の衰え・低下

歯列矯正を始めると、装置が邪魔になってお口周りの筋肉を動かしにくくなります。大きく笑ったり、お口周りの筋肉を活発に動かしたりすると、口腔粘膜を傷つけるリスクが高まるため、自然と表情が乏しくなるのです。その結果、口腔周囲筋が衰えて口元が弛み、面長な印象を与えるようになります。歯列矯正中にほうれい線が目立つようになるのも、同様の理由からです。

【原因③】人中が伸びたように見える

人中の長さは、口元の印象を大きく左右します。人中が長いと、面長・ブサイク・老け顔といった印象を相手に与えてしまうからです。そして、不適切な方法で矯正治療をすると、人中が伸びたように見えることがあるのです。例えば、本来は抜歯をして十分なスペースを作った上で歯を並べなければならないケースを無理に非抜歯で治療すると、前歯が外側に飛び出すことがあります。その結果、上唇が引っ張られて人中が伸びたように見え、さらには面長やブサイクな印象を与えるようになるのです。

【原因④】必要のない抜歯を行った

本来、抜歯が必要のないケースで歯を抜いた場合も矯正治療の結果として面長になったり、不細工な顔貌に変わったりすることがあります。とくに抜歯が不要なケースでの抜歯は、ほうれい線が濃くなりやすいです。口元のシワが多くなり、老けた印象を与えます。フェイスラインも大きく変わる可能性があるため、注意が必要です。

矯正歯科を選ぶ際のポイント

上段で解説したように、歯列矯正が原因で面長やブサイクになる可能性があります。そうしたリスクを避けるためには、信頼できる矯正歯科を選ぶことが大切です。歯列矯正で失敗や後悔をしたくない人は、次の3つのポイントを意識して、矯正歯科を選びましょう。

【ポイント①】歯列矯正の経験や知識が豊富

矯正歯科の治療は、専門性が極めて高いです。どの矯正歯科でも同じ結果が得られるわけではないので、歯列矯正の経験や知識が豊富な歯科医師を探すようにしてください。自分の症状と同じ症例を過去に治している歯科医師であれば、治療によって面長やブサイクになるリスクも低くなります。ですから、カウンセリングを受ける際には、過去の実績などを提示してもらうようにしましょう。

【ポイント②】精密検査を行える設備がある

正しい診断を下し、適切な治療計画を立案するためには、精密検査が必須となります。一般歯科で用いるレントゲンだけでなく、矯正治療のためのセファログラムや歯科用CT、マウスピース矯正の場合は口腔内3Dスキャナーなどを完備した歯科医院が望ましいです。もちろん、そうした先進の医療機器を使いこなせることが前提となります。

【ポイント③】口コミの評価や評判が良い

実際にその矯正歯科で歯並びの治療を受けた人の評価が高いクリニックを選ぶようにしましょう。患者さんから悪い評価を受けている矯正歯科をわざわざ選ぶ必要はありません。また、口コミが良いからといって、それだけで歯並びの治療を任せるクリニックを決めるのも良くありませんので、上述した2つのポイントと併せて検討することが大切です。

歯列矯正で面長にならないためのポイント

歯列矯正をスタートしてからは、次の2つのポイントを意識することで、面長になるのを防ぎやすくなります。

【ポイント①】装置の装着時間やルールを守る

マウスピース矯正では、着脱式の装置を使うため、マウスピースの装着時間や交換のタイミングは患者さん自身で管理しなければなりません。そうした矯正のルールを守れないと、適切な治療結果が得られず、面長やブサイクになってしまうこともあります。ワイヤー矯正の場合は、ゴムかけが重要となります。ゴムかけは歯科医師の指示通りに行うようにしてください。

【ポイント②】お口周りの筋肉をトレーニングする

歯列矯正中に口腔周囲筋が弛む現象は、無意識のうちに進んで行きます。そのことを理解した上で、お口周りの筋肉を習慣的にトレーニングしていきましょう。普段から表情が乏しくならないよう努めるだけでなく、「あいうえお」と口を大きく動かす運動を積極的に行うことも大切です。

まとめ

今回は、歯列矯正で面長が改善されるのかどうかについて解説をしました。面長の原因が出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった悪い歯並びにある場合は、歯列矯正で改善しやすいといえます。骨格的な異常に由来する面長は、歯列矯正単独では治しにくいといえるでしょう。また、歯列矯正では治療の結果として面長やブサイクに見えるようになる場合があるため、そのリスクも正しく理解しておくことが大切です。基本的には歯列矯正の経験が豊富で精密検査もしっかり行える矯正歯科なら、歯並びの治療によって極端に面長・ブサイクになることはないでしょう。ただし、矯正装置の装着ルールを守らなかったり、矯正期間中に口腔周囲筋が衰えたりすることでも面長になる可能性もあるため、その点には十分注意を払う必要があります。

歯列矯正で人中は伸びる?印象が変化して見えるケース等を解説

歯列矯正を受けた結果、人中が伸びて顔の印象が変わった、矯正する前より見た目が悪くなった、といった話を聞くことがあります。SNSなどでそうした感想や悩みを目にすると、歯列矯正を受けるのが怖くなってしまう方も多いことでしょう。そこで今回は、歯列矯正で人中が伸びたように見える原因や顔の印象が変化して見えるケース、人中を短くする方法などを詳しく解説します。

歯列矯正で人中は伸びる?

結論からいうと、歯列矯正で「人中が伸びる」ことはありません。なぜなら歯列矯正は歯を動かす治療であり、人中などを構成する皮膚を伸ばしたり、縮めたりするものではないからです。けれども、歯列矯正の結果として「人中が伸びたように見える」ことはありえます。それはもともと悪い歯並びによって口元がゴボッと膨らんでいるようなケースで、歯列矯正で前歯部の突出がなくなると、口唇の膨らみも改善されて口元の印象にも変化が現れます。それが「人中が伸びたように見える」可能性は排除できません。

理想的な人中の比率

人中は、顔の印象を大きく左右する要素なので、可能な限り理想に近い状態を実現したいものです。そこでまず知っておいていただきたいのが理想的な人中の比率です。一般的な人中の黄金比は「鼻の下から唇の真ん中:唇の真ん中からアゴ先」が1:2といわれています。つまり、人中というのは短い方が理想的であり、実年齢よりも若く見える効果が期待できるのです。逆に、人中が長くて比率が悪いと、口元が間延びしたような印象を与えることから、実年齢よりも老けて見えることが多くなります。

横顔の美しさを決める指標「Eライン」とは

E(エステティック)ラインとは、横顔の美しさの指標となるもので、鼻先と顎の先を結んだ線がそれに当たります。もともとはアメリカの矯正歯科医が提唱し、現在は日本でも広く用いられている指標といえるでしょう。Eラインは、骨格的な要素に左右されやすい指標であるため、欧米人と日本人とでは理想的な位置が少し異なります。日本人の理想は、Eラインが口唇に少し触れるか、触れないかの位置です。ご自身のEラインが気になる方は、今すぐ鏡で確認してみましょう。鏡の前で横を向いて、鼻先と顎の先を人差し指で結ぶだけで、Eラインを簡便にチェックすることができます。

歯列矯正で人中が伸びたように感じる原因

続いては、歯列矯正で人中が伸びたように感じる原因についてです。

【原因①】矯正装置による膨らみ

最も標準的な表側矯正では、歯列の表面にブラケットとワイヤーを固定します。この装置は意外に厚みがあるため、装着後は口ゴボのような症状が現れやすいです。その結果、口唇が持ち上がって人中が伸びたように見える場合があります。ただしこれは、あくまでマルチブラケット装置をつけている期間中の症状なので、歯の移動が完了して保定期間へ移行したら解消されます。

【原因②】歯の移動による口元の印象の変化

歯列矯正が進んで、歯が移動していくと、口元の印象も変化していきます。とくに前歯部の歯並び・噛み合わせに大きな乱れがある人は、矯正が進行していく中で、口元の印象も大きく変わる点に注意しなければなりません。多くのケースでは、口元に良い変化が現れますが、場合によっては人中が伸びたような変化が見られることもあります。

【原因③】表情筋が衰えている

歯並びの治療を行っている期間中は、口周りの筋肉が衰えがちです。それは装置による不快症状や歯の移動に伴う痛みがあるため、あまり噛まずに飲み込めるものを好んで食べるようになるからです。また、矯正装置が入っている状態で大きく口を開けて笑ったり、表情を豊かにして会話をしたりすると、舌や頬の内側の粘膜が傷つく恐れがあるため、できるだけ表情筋を動かさないよう振舞ってしまうものです。その結果、表情筋が衰えて人中の部分も間延びし、顔全体が弛んでいきます。

歯列矯正で人中の印象が変化して見えるケース

次のようなケースでは、歯列矯正で人中が変化して見えるようになりやすいため注意が必要です。

【ケース①】抜歯をして歯を大きく動かす必要がある

出っ歯や乱ぐい歯の症状が強く、抜歯をして歯を大きく動かさなければならないケースは、歯列矯正によって口元の印象も変化しやすいといえます。具体的には、前方に出ている前歯を後方へと大きく下げると、口元全体が下がり、老けた印象を与えることがあるのです。その結果として、人中が伸びたように見えます。もちろん、抜歯をするケースすべてでそのような症状が現れるわけではありません。むしろ、抜歯をしてデコボコの歯並びをきれいにした方が口元の印象もスッキリすることも多々あるからです。つまり、抜歯症例で人中の印象が悪くなるかどうかは、あくまで患者さんの骨格や歯並び・噛み合わせの状態によって変わるといえるのです。

【ケース②】部分矯正で無理に治療を行った

歯列内の一部分だけを治療する方法を部分矯正といいます。例えば、前方に出ている前歯数本の歯並びをきれいにしたい時などに選択できる方法で、短期間かつ比較的安価な費用で乱ぐい歯などを改善できます。当然ですが抜歯はしません。そのためケースによってはスペースの不足を解消できないことから、そのしわ寄せが前歯に現れることがあります。結果として前歯が前方に出てしまい、口唇が持ち上げられて人中が目立つようになるのです。そうした無理な矯正治療を行うのは、経験や知識に乏しい歯科医師です。正しく診断し、適切な治療を実施できる歯科医師であれば、部分矯正を無理に適応することもありません。

歯列矯正で人中を短くする方法

歯列矯正の結果として、人中が伸びたように見えるようになるリスクは十分に理解していただけたかと思います。それでは逆に歯列矯正では人中を短くする方法はないのか。その点についてもご説明します。

【方法①】出っ歯(上顎前突)の改善

上の前歯が前方に出ている上顎前突は、歯列矯正で改善することで人中も目立ちにくくなります。口唇の盛り上がりがなくなり、口元の印象もスッキリすることでしょう。

【方法②】口ゴボ(上下顎前突)の改善

上下の前歯が前方に出ている上下顎前突は、口ゴボという俗称で呼ばれているように、口元が膨らんだ見た目となります。その症状は人中が伸びたような印象を与えることも多いでしょう。歯列矯正で上下の前歯を後方に下げ、口唇の膨らみが改善されれば、人中も正常な状態へと戻ります。それは人中が短くなったようにも見えます。

歯列矯正で人中を変化させないためのポイント

歯列矯正は受けたいけれど、人中が変化するのが怖い。そういう人は、次の2つのポイントにご注意ください。

【ポイント①】矯正の仕上がりを歯科医師と綿密に相談する

上述したように、歯列矯正中や歯列矯正後には、人中が伸びたような変化が現れる場合があります。そうした症状や仕上がりを避けたいという人は、カウンセリングや治療説明の段階で、歯科医師と綿密に相談しておきましょう。経験や知識が豊富な歯科医師であれば、人中に悪い変化が現れない治療方法を提案してくれます。

【ポイント②】口周りの筋肉を鍛える

歯列矯正中は、装置による刺激や歯の移動に伴う痛みを避けるため、口周りの筋肉を極力、動かさないよう意識してしまうものです。そうなると口腔周囲筋や表情筋が衰えて口元が弛み、人中も伸びたように見えることから、歯列矯正中は口周りの筋肉を積極的に鍛えていきましょう。口を大きく開けて「あいうえお」とはっきり発音するだけでも、口腔周囲筋は鍛えられます。それを空いた時間などに行っていくことで、口周りの筋肉の衰えを防止できます。

まとめ

今回は、歯列矯正で人中が伸びたように見える原因や口元の印象が変化しやすいケースなどを解説しました。歯列矯正で人中が物理的に伸びることはありませんが、伸びたように見えることはありえます。そうしたリスクを避けたい人は、矯正相談・カウンセリングの段階でその旨を歯科医師に伝えておきましょう。歯列矯正中に口周りの筋肉をトレーニングすることでも、人中が伸びたように見える症状を予防しやすくなります。

歯列矯正をやめたほうがいい大人とは?歯列矯正を行うデメリット・メリット等も解説

Contents

出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯並びの問題は、自力で改善することは難しいため、歯列矯正という方法で根本から治療しなければなりません。近年はそうした歯並びへの関心が高まる傾向にあることから、歯列矯正を受ける人も急速に増えてきています。同時に、歯列矯正で失敗や後悔をする人も少なくない点に注意が必要です。そこで今回は、歯列矯正をやめた方がいい人の特徴や歯並びの治療を受けるデメリットやメリット、後悔しないために注意すべきことなどを詳しく解説します。

歯列矯正をやめたほうがいい大人の特徴

歯並びの乱れを細かく整える歯列矯正。基本的には誰でも受けることが可能ですが、次に挙げるような人はやめた方がいいかもしれません。

【特徴①】虫歯や歯周病になっている

今現在、虫歯や歯周病になっている人は、すぐに歯列矯正を始めることは難しいです。なぜなら歯列矯正では、歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を接着したり、マウスピースタイプの装置を終日、装着したりするからです。ただし、これらが治療されれば歯列矯正を行うことが可能です。

・虫歯による矯正への影響

例えば、虫歯がある状態でそうした装置を装着したら、感染の範囲がどんどん広がってしまいます。場合によっては、歯が溶けてブラケットが外れたり、マウスピースが合わなくなったりすることもあるでしょう。矯正中に虫歯治療を始めた場合も治療計画に大きな支障をきたすことから、虫歯は必ず矯正歯科の治療を始める前に治しておくべきだといえます。

・歯周病による矯正への影響

次に歯周病についてですが、これは歯そのものが侵される病気ではないため、矯正治療とは関係のないものと思われがちですが、実際は虫歯と同等、あるいはそれ以上の悪影響が及びかねません。というのも、歯周病は歯茎だけではなく、顎の骨まで破壊が進む病気なので、そもそも任意の場所に歯を動かせなくなることがあります。仮に動かせたとしても、顎の骨が正常に作られないことから、後戻りのリスクが高まることでしょう。そうした点も踏まえて、多くの矯正歯科の先生は、歯周病を患っている患者さんに対して、歯列矯正を今すぐ始めましょうとは言わないのです。

【特徴②】顎関節症を患っている

顎関節症とは、文字通り顎の関節に異常が現れる病気で、口を開け閉めしたり、食べ物を噛んだりした時に強い痛みを感じます。顎関節がカクカクと鳴る症状は皆さんもよくご存知のことでしょう。そんな顎関節症を患っている状態だと、歯列矯正を適切に進めていくことが難しいため、事前に治療で症状を改善しておく必要があります。

【特徴③】歯列矯正の費用を支払うのが困難

標準的な歯列矯正は、700,000〜1,500,000円程度の費用がかかります。これほど高額な費用を支払う機会は、自動車を購入する時くらいなので、経済的な負担が大きいと感じる人が大半を占めることでしょう。そもそも1,000,000円前後の費用を一括で払うことが不可能な人も少なくないかと思います。ですから、歯列矯正の費用が家計に対して深刻な悪影響を及ぼすのであれば、治療を諦めた方がいいといえます。

ただ、歯列矯正の費用は、必ずしも一括で支払う必要はありません。歯科医院独自の分割払いや金融機関が提供しているデンタルローンを活用すれば、毎月数万円の支払いで歯列矯正を受けられることもあるのです。そうした費用の分割払いも選択肢に入れられるのであれば、歯列矯正を諦めずに検討を進めても良いと言えます。

歯列矯正が必要な大人の特徴

続いては、歯列矯正で歯並び・噛み合わせの改善が必要な人の特徴を解説します。次に挙げる4つの特徴のうち、ひとつでも当てはまるものがある場合は、歯列矯正を検討した方が良いかもしれません。

【特徴①】悪い歯並びが恥ずかしくて口元を隠す癖がある

前方に傾いている前歯やデコボコの歯並びは、口元のコンプレックスになりやすいです。それを人に見られるのが嫌で、話す時や笑う時に口元を手で隠す癖がある人は、歯列矯正で改善した方が良いかもしれません。歯列矯正なら歯並びをきれいに整えることができるため、今ある口元のコンプレックスを根本から改善できることでしょう。見た目の悪い歯並びは、性格までネガティブに変えてしまうこともあるため、十分な注意が必要です。

【特徴②】虫歯や歯周病になりやすい

小さい頃から虫歯になりやすかったり、大人になってからの歯周病が治りにくかったりする場合は、歯並び・噛み合わせの異常が原因かもしれません。歯並びがきれいに並んでいないと、清掃性が低下して、食べかす・歯垢・歯石がたまりやすくなるのです。それらは虫歯菌や歯周病菌の温床となることから、虫歯・歯周病リスクも自ずと高くなります。

【特徴③】食べ物が噛みにくい・発音しにくい

悪い歯並びには、必ずと言って良いほど、噛み合わせの異常も伴います。上下の歯が適切な位置で噛み合っていないため、「前歯で麺類を噛み切れない」とか「硬い食べ物を奥歯で噛みにくい」といった症状に悩まされやすいのです。同時に、悪い歯並び・噛み合わせでは、発音がしにくいという症状も現れやすい点に注意が必要です。この2つの症状が見られる場合も歯列矯正が推奨されます。

【特徴④】原因のわからない頭痛や肩こりがある

原因がよくわからない頭痛や肩こりに悩まされている場合もその背景に歯並び・噛み合わせの異常が潜んでいるかもしれません。上下の歯が適切な位置で噛んでいないと、口腔周囲や頭部、頸部、肩にかけての筋肉に過剰な負担がかかる場合があるからです。この点は、歯科医院で精密検査を行ってみなければわからないため、まずはお気軽に当院までご相談ください。

大人が歯列矯正を行うデメリット

大人になってから歯列矯正を行うと、次に挙げるようなデメリットを伴います。

【デメリット①】比較的高い費用がかかる

ひと言で歯列矯正と言っても、その種類はさまざまですが、ワイヤー矯正を想定した場合、治療費の総額としては1,000,000円前後かかります。この費用には、精密検査の費用や通院ごとにかかる調整費なども含まれていますが、歯科治療の費用としては高いと感じる方が多くを占めることでしょう。

透明な樹脂性のマウスピースを使うマウスピース型矯正なら、全体矯正であってもやや安い費用で歯列矯正を受けられることが多いです。「前歯だけ」のように、気になる部分だけをきれいにする部分矯正の場合は、300,000~600,000円程度の費用で治療が受けられます。ですから、ワイヤー矯正では予算をオーバーしてしまうのであれば、比較的費用を抑えられる方法を選択すると良いでしょう。

【デメリット②】治療にかかる期間が長い

大人になってからの歯列矯正では、治療期間が長いというデメリットも伴います。これは選択した矯正装置の種類に関わらず、全体矯正なら歯を動かすのに1~3年程度、後戻りを防止するための保定処置に1~3年程度を要します。つまり、矯正治療全体では2~6年程度の期間が必要になるのです。大人になってからの2~6年というのはとても長いもので、その間に引っ越しと転院が必要となるケースも珍しくありません。

ただし、後半の保定期間は、リテーナーという装置を就寝中に装着するのが基本となるため、歯を動かす動的治療ほど大変なものではありません。保定期間中の通院頻度も動的治療の時よ少ないことから、本当に大変なのは前半の1~3年の期間といえるでしょう。ちなみに、部分矯正を選択した場合は、3~10ヵ月程度で歯の移動が完了します。

【デメリット③】治療中は見た目が悪くなる

大人の歯列矯正では、必ず何らかの装置を装着します。最も標準的なワイヤー矯正では、1歯1歯に金属製のブラケットを接着し、歯列全体にも金属製のワイヤーを固定することから、口元の審美性が大きく低下します。もちろん、透明で薄型のマウスピースを使うマウスピース矯正ならそうしたデメリットを最小限に抑えられますが、少なからず違和感は生じます。歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する裏側矯正は、費用が高くなるというデメリットを許容できれば、審美的な問題を解消できます。

【デメリット④】歯の移動に痛みを伴う

歯列矯正は、歯槽骨(しそうこつ)に埋まっている歯を人為的に動かす治療です。歯を手や舌で押してみるとわかりますが、当然ですが動きません。つまり、歯列矯正ではかなり強い力をかけて歯を動かしているため、それ相応の痛みも伴います。とくにワイヤーを調整した直後や新しいマウスピースに交換した直後は痛みが強くなることでしょう。とはいえ、我慢できないほどの痛みが生じることは稀ですし、その症状にも徐々に慣れてくることから、皆さん何とか乗り越えていきます。

【デメリット⑤】装置による刺激や痛みがある

歯列矯正に伴う痛みは、歯の移動に由来するものだけではありません。矯正装置のワイヤーや結紮線が頬の内側の粘膜を傷つけたり、マウスピースの辺縁が歯茎を圧迫したりすることもあるからです。そうした装置による不快症状も歯列矯正に伴うデメリットのひとつとして挙げられます。

【デメリット⑥】後戻りするリスクがある

大人の歯列矯正は、出っ歯や受け口、乱ぐい歯などを根本から改善できる治療法ではあるものの、後戻りするリスクを必ず伴います。そのため歯列矯正では歯を動かした後の保定処置が必須となっています。リテーナーと呼ばれる装置を一定期間装着することで、後戻りのリスクを低減できます。その保定処置を怠ったり、歯並びを悪くする舌癖や口呼吸などがあったりすると、後戻りしやすくなる点に注意が必要です。

【デメリット⑦】その他のリスクについて

歯列矯正には、その他にも歯肉退縮、歯根吸収、金属アレルギー、顎関節症、不定愁訴などのリスクを伴います。いずれも歯列矯正で必ず起こるものではありませんが、そのリスクを伴うということは知っておきましょう。

大人の歯列矯正の失敗事例

大人の歯列矯正では、次のような失敗事例が見られます。どちらも患者さんにとって大きな不利益となるため、その原因を正しく理解しておくことが大切です。

【失敗事例①】噛み合わせが悪くなった

歯列矯正の失敗事例で多いのが「噛み合わせの悪化」です。一見すると、理想的な歯並びに仕上がっていても、噛み合わせが悪くなっているというケースは意外に多く見られます。こうした失敗事例の原因は、ほとんどの症例で歯科医師側にあります。歯科医師の知識や経験、技術が不足していることで、歯並びだけでなく噛み合わせまで改善する矯正を行えなかったのです。そもそも歯という器官は噛むために存在しているため、矯正によって噛み合わせが悪くなることは論外といえます。その状態で治療を終えれば、後戻りも起こりやすくなるでしょう。

【失敗事例②】顔貌や顔の印象が悪くなった

歯並び・噛み合わせの状態は、顔貌にも大きな影響を与えます。例えば、口ゴボと呼ばれる症状は、上顎前突や上下顎前突を矯正で治すことで改善が見込めますが、不適切な抜歯矯正を行った場合などでは、逆に顔の印象が悪くなることもあるのです。歯列矯正の結果として、表情筋の筋力が低下した場合も顔貌に変化が現れることがあります。

大人が歯列矯正を行うメリット

大人になってから歯列矯正を行うと、次に挙げるようなメリットが得られます。

【メリット①】笑顔に自信が持てるようになる

大人になってから歯列矯正を受ける人の多くは、悪い歯並びが口元のコンプレックスになっています。ガタガタの歯並びが恥ずかしくて、笑う時やしゃべる時についつい口元を隠してしまう人もいます。歯列矯正で歯並びがきれいになれば、その必要もなくなります。歯並びと笑顔に自信が持てるようになり、人と接することもより一層、楽しくなることでしょう。

【メリット②】歯磨きがしやすくなる

歯並びの治療で理想的な歯列弓を作ることができれば、清掃性が向上します。歯ブラシを軽く振動させるだけで、ほとんどの汚れが取れるようになります。その結果、磨き残しが減り、歯垢・歯石の蓄積も予防できるようになるため、虫歯や歯周病になるリスクも減少することでしょう。

【メリット③】食べ物が噛みやすくなる

悪い歯並びには必ず噛み合わせの異常を伴うとお伝えしましたが、歯列矯正で理想的な歯並びに仕上げることができれば、噛み合わせも自ずと正常化されます。上下の歯が適切な位置で噛み合うことで、そしゃく能率が上がり、食べ物を噛みやすく、飲み込みやすくなることでしょう。それは胃腸といった消化管の負担を減らすことにもつながります。

【メリット④】発音・滑舌が良くなる

この点は、歯列矯正をする前の症状によっても得られる結果が異なります。歯列弓が狭まっていて舌の運動が制限されていたり、すきっ歯で息漏れが生じていたりするケースでは、発音障害や滑舌の悪さが認められることでしょう。歯列矯正で歯並びの問題を解決すれば、発音や滑舌が良くなるというメリットが得られます。

【メリット⑤】頭痛や肩こりが改善されることがある

歯並び・噛み合わせの異常が原因で、頭痛や肩こりが生じていた場合は、歯列矯正を受けることでそれらの症状を改善できることがあります。これはあくまで結果論なので、大人の歯列矯正を受ければ必ず頭痛や肩こりがなくなります、とは言い切れません。

大人の歯列矯正で後悔しないためにすること

大人の歯列矯正で後悔や失敗をしないためには、次の2つの方法を実践する必要があります。

◎経験が豊富で信頼できる矯正歯科を見つける

大人の歯列矯正で後悔や失敗する原因の多くは、経験豊富な矯正歯科を見つけて、適切な治療を受けることで解消できます。なぜなら経験豊富な矯正歯科は、患者さんが歯列矯正で後悔や失敗する理由と原因を熟知しているからです。さらには、それを回避する方法まで提案できるので、まずは信頼できる矯正歯科を探しましょう。

◎歯列矯正の伴うリスクとデメリットを理解する

大人の歯列矯正には、避けることができないリスクやデメリットが存在します。それらを正しく理解せずに、大人の歯列矯正のメリットだけに目を向けていると、治療中や治療後に後悔することになるでしょう。逆に、どんなトラブルが起こり得るかをあらかじめ理解しておくと、実際そうした事態に見舞われても頑張って乗り越えよう、きれいな歯並びを手に入れるために頑張ろう、と思えるようになります。

まとめ

今回は、大人の歯列矯正に伴うデメリットやリスクといったネガティブな面をクローズアップして、歯並びの治療について解説しました。大人の歯列矯正は、美しい歯並びが手に入って笑顔に自信が持てるようになる素晴らしい治療ではありますが、費用が高い、治療期間が長い、治療中は見た目が悪くなる、といったデメリットを伴う点にも意識を向ける必要があります。

だからといって大人になってからの歯列矯正はやめたほうがいい、とは言いません。大人の歯列矯正に伴うデメリットやリスクを正しく理解しておけば、治療を受けたこと、始めたことを後悔しなくなる可能性の方が高いからです。歯列矯正が終わった頃には、メリットの方が圧倒的に大きかったと実感することかと思います。

歯列矯正でブサイクになった?その原因と後悔しないための歯科医院の選び方等を解説

歯列矯正は本来、出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯並びのコンプレックスを解消するために行うものですが、その結果として「ブサイクになった」と後悔してしまうケースもあります。高いお金と長い時間をかけているのになぜ後悔するような仕上がりとなってしまうのか。今回はそんな歯列矯正でブサイクになる原因と後悔しないための歯科医院選びについて詳しく解説をします。

歯列矯正でブサイクになる原因

歯列矯正では、次のような原因で顔がブサイクになることがあります。

◎ほうれい線が濃くなった

歯列矯正後の変化として意外に多いのが、ほうれい線が目立つようになる表情です。ほうれい線は、小鼻から口角にかけて伸びるシワで、それが目立つようになると老けた印象を与えます。歯列矯正では、出っ歯や口元が突き出している(口ゴボ)のケースで、見られやすい症状といえるでしょう。前方に出ていた前歯を後方に下げることで、これまで引っ張られていた皮膚がゆるみ、ほうれい線が目立つようになります。とくに抜歯を伴う矯正治療(便宜抜歯)を行って、歯を大きく移動したケースでは、ほうれい線が濃くなりやすいです。

また、歯列矯正中は、矯正装置の見た目が気になって自然に笑えなくなったり、ワイヤーが粘膜を傷付けるのを恐れたりするため、表情が乏しくなりがちです。その結果、表情筋が衰えてほうれい線が濃くなることもあります。

◎顔が面長になった

歯列矯正によって面長になるのは、噛み合わせが正常化されたことと関係があります。矯正をする前は、歯並びだけでなく、噛み合わせも悪い状態となっているため、食べ物を効率良く噛むことができません。普通の食べ物を噛む時でも、必要以上に力を入れたり、たくさん噛んだりしなければならないのです。その結果、そしゃくする時に使う咬筋(こうきん)が発達してエラが強調されます。

歯列矯正後は噛み合わせが正常化されると、必要最小限の力で食べ物をそしゃくできるようになるので、咬筋の大きさも正常に戻っていきます。そもそもエラが張った状態が異常ではあったのですが、歯列矯正後に過剰な筋肉がなくなると、これまでとは違う面長な見た目となることから、ブサイクになったと後悔する方もいらっしゃるのでしょう。ただ、繰り返しになりますがその変化は、口腔機能はもちろんのこと、顔貌という審美面においても医学的に正常な状態と評価でる点に注意が必要です。

◎出っ歯になった場合

歯並びの治療では、矯正中と矯正後に出っ歯となる場合があります。まず矯正中に関してですが、これは歯に装着する矯正装置が根本的な原因となります。とくにデコボコとしたブラケットを1本1本の歯に接着して、金属製のワイヤーを通す方法は、口元がゴボっと膨らみやすくなっています。それを見て出っ歯になったと感じる方もいらっしゃいます。薄くて表面が滑らかなマウスピースを使うインビザラインなどでは、出っ歯の症状が比較的現れにくいといえます。

次に、矯正後に見られる出っ歯の症状についてですが、これはスペースが大きく不足しているケースで見られやすいです。明らかな抜歯症例であるにも関わらず、健康な歯を抜きたくないという理由で非抜歯にした場合は、すべての歯が収まりきらずに、前方へと逸脱してしまいます。その結果、出っ歯の症状が現れます。もちろん、非抜歯でも歯の側面を削ったり、歯列を側方に拡大したりするなどの処置を施すことで、歯をきれいに並べることもできるのですが、それでもなお出っ歯の症状が出てしまうこともあります。

歯列矯正でブサイクになった際の対策(ケース別)

上段で解説したような原因で歯列矯正後にブサイクな顔貌となった場合は、次に挙げる方法で対策することができます。

ケース①ほうれい線が濃くなった場合

表情筋が衰えたことでほうれい線が濃くなった場合は、歯列矯正後に口腔周囲筋のトレーニングを行うようにしましょう。口を大きく「あー」「いー「うー」「ベー」と動かす「あいうべ体操」は、口呼吸を改善する方法ですが、口腔や顔面周囲の筋肉を鍛えることにつながります。栄養不足が原因でほうれい線が濃くなった場合は、食事をしっかりとることを心がけてください。それでも改善されないほうれい線は、ヒアルロン酸を注射するなどの美容整形も治療の選択肢に入ってきますので専門家に相談してください。

ケース②顔が面長になった場合

歯列矯正によって顔が面長になった場合も対処法はほうれい線と同じです。表情筋の衰えが原因の場合は、口腔や顔面の筋肉をトレーニングし、栄養不足は食事によって改善しましょう。それでも面長の症状が治らない場合は、美容外科に相談するのもひとつの選択肢です。

ケース③出っ歯になった場合

歯列矯正によって出っ歯になるのは、治療計画や矯正方法の選択に誤りがあった場合であり、基本的に再矯正が必要となります。出っ歯の症状が比較的軽度であれば、歯の側面を少しだけ削るストリッピングを行うことで、前歯部の突出感を改善できます。歯列を横に広げたり、奥歯を後方に下げたりする方法もあります。そうした方法では改善が見込めない出っ歯は、抜歯をした上で再矯正しなければなりません。

歯列矯正で後悔しないための歯科医院の選び方

最後に、矯正治療で失敗や後悔を避けるための歯科医院の選び方について解説しました。できれば、以下に挙げる5つのポイントすべてを満たしている歯科医院を選ぶようにしてください。

ポイント①話しやすい歯科医師・矯正歯科

歯列矯正で失敗しないためには、話しやすい歯科医師・矯正歯科を選ぶことが大切です。世間で名医と呼ばれているような優秀な歯科医師でも、話しにくかったり、治療方針や矯正に関する考え方を一方的に押し付けてきたりするような場合は、さまざまなトラブルが起こり得ます。とくに治療のゴールについてきちんと話し合える歯科医師だと、矯正で後悔する可能性も低くなるでしょう。

そうした歯科医師の性格や矯正歯科の方針などは、矯正相談・カウンセリングの段階で、しっかり見極める必要があります。つまり、カウンセリングを単なる説明を聞く場として考えるのではなく、自分の意見や矯正への希望も伝えて、それに対してどのような答えを返してくれるのかまで見ることが大切なのです。

ポイント②矯正方法のデメリットまで説明してくれる

ひと言で矯正治療といっても、いくつかの種類があります。その中でも特定の種類だけを勧めてきたり、治療に伴うメリットしか説明してこなかったりする場合は要注意です。そもそも対応できる治療の範囲が狭い可能性が高いですし、場合によっては患者さんではなく、矯正歯科の利益を優先している場合も考えられるからです。そこで是非とも着目していただきたいポイントが「デメリット」まできちんと説明してくれるかどうかです。

例えば、マウスピース矯正はさまざまな面で優れた治療法なので、メリットだけを説明するだけでも患者さんは納得してしまうものですが、必ずデメリットも伴います。それはワイヤー矯正よりも適応範囲が狭かったり、装置の着脱を自己管理しなければならなかったりする点です。そうした矯正方法の悪い面まで細かく説明してもらうことで、治療の失敗や後悔を防ぎやすくなることは間違いありません。

ポイント③急なトラブルにも柔軟に対応してくれる

矯正治療中は、さまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。ワイヤー矯正の場合は、ブラケットが外れる、ワイヤーが粘膜を傷付ける、歯の痛みが我慢できない、といったトラブルが予想されますが、その都度、柔軟に対応してくれる歯科医院が望ましいです。実際に歯列矯正を始めてみるとわかりますが、お口のトラブルはしゃべる・食べる・飲み込むことに直接的な影響を与えるため、一刻も早く改善して欲しいと思うものです。そんな時に急患のような扱いで対応してくれる歯科医師・矯正歯科は頼りになります。

ポイント④継続的に診てもらえる矯正歯科

矯正治療は、歯を動かすのに1~3年程度、歯並びを固定する保定処置にも1~3年程度かかります。かなり長期に渡る治療となるため、継続的な診療を受けやすい歯科医院が望ましいです。ケースによっては、計画通りに歯が動かない場合もありますし、後戻りが生じる可能性も否定できません。そうした場合でも治療の立て直しや再矯正に対応してくれる矯正歯科だと、後悔することも少なくなります。

ポイント⑤自分のライフスタイルに合っている

最後に着目していただきたいポイントは、自分のライフスタイルと合っているかどうかです。例えば、お仕事が忙しい方は、平日の昼間に通院することはなかなか難しいかと思いますので、夜間診療や土日・祝日診療に対応している矯正歯科を選ぶと良いです。予約が取りやすい歯科医院かどうかも事前に確認しておくことが大切です。

とりわけワイヤー矯正は、1ヵ月に1回の調整が必須ともなることから、通院しやすいかどうかが極めて重要なポイントとなります。仕事の関係上、1ヵ月に1回の通院も難しいという場合は、比較的通院頻度の低いインビザラインに対応している歯科医院を選ぶと良いでしょう。もちろん、症例にもよりますがインビザラインなら2ヵ月に1回程度の通院で矯正を進めていくことが可能です。それはインビザラインの装置が治療の始める時点ですべて完成しているからです。また、マウスピース型矯正装置はマルチブラケット装置のようなトラブルも起こりにくいため、イレギュラーな通院回数も少なくなることでしょう。

まとめ

今回は、歯列矯正でブサイクになった原因や後悔しないための歯科医院の選び方について解説しました。歯列矯正は本来、歯並びだけでなく、顔貌にも良い効果が期待できる治療ですが、患者さんの歯並びや矯正治療の方法、歯科医師の技術レベルによっては結果としてブサイクになることもありますのでご注意ください。本文の後半でご紹介した5つのポイントに着目して矯正歯科を選択すれば、そうしたトラブルも回避しやすくなることでしょう。

歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔する理由とは?

インターネット上では「歯列矯正をやらなきゃよかった」という口コミを目にすることがあります。歯列矯正は、長い期間と高いお金をかけて行うものなので、どんな理由で後悔するのか気になる方も多いことでしょう。ここではそんな歯列矯正で後悔する理由と後悔しないためのポイントについてわかりやすく解説をします。

歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔する理由

◎治療期間が長引いた

歯列矯正は、マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置を使って歯を動かす期間として、1~3年程度を要します。ただし、それはあくまで目安の期間なので、さまざま理由から長引くことがあります。例えば、マウスピース矯正の場合は、装置の着脱を患者さんが怠ってしまったら、予定通りに治療は終わりません。矯正中に虫歯や歯周病を発症した場合も治療期間が長引くことがありますので、十分にご注意ください。

◎イメージ通りの歯並びにならなかった

従来の矯正法は、各種検査を実施して歯型を取り、その上で口頭での治療計画を説明します。矯正による仕上がりも歯科医師からの口頭で伝えられることから、患者さんとのイメージの共有が難しい点がありました。そのため治療結果を見て「イメージ通りの歯並びにならなかった」と後悔するケースも残念ながら存在しています。治療を始める前にデジタルシミュレーションを行えるインビザラインなら、そうした認識のズレを最小限に抑えることが可能ではありますが、すべてが計画通りに進むわけではありません。

◎出っ歯になった

本来は抜歯が必要なケースで、無理に非抜歯矯正を適応した場合に生じやすいトラブルです。歯をきれいに並べるためのスペースが不足しているため、前歯が前方へと出てしまうのです。出っ歯は、口元の印象を左右する歯並びなので、矯正治療後にそうした症状が出てしまった場合に後悔するお気持ちもよく理解できます。

◎歯並びが矯正前の状態に戻った

歯列矯正は、歯を動かす動的治療(どうてきちりょう)と歯並びを固定する保定処置(ほていしょち)の2つに大きく分けられます。動的治療だけを行って保定処置を省いてしまうと、ほぼ間違いなく歯の後戻りが生じます。歯ぎしりや舌を前に突き出す癖、口呼吸などがある場合も後戻りしやすい点に注意が必要です。

◎歯を抜かれた

スペースが絶対的に不足しているケースでは、小臼歯などを抜く便宜抜歯(べんぎばっし)が適応されます。そうした抜歯は原則として患者さんの合意の上で行われるものなので、勝手に抜かれるということはありません。それでも健康な歯を抜いたことを後悔する人は一定数いらっしゃいます。

◎歯を削られた

スペースの不足が軽度の場合は、ストリッピングと呼ばれる方法で歯の側面を少しだけ削ります。切削量は極わずかなので、歯に大きなダメージが加わることはありません。

◎虫歯・歯周病になった

矯正治療中は、矯正装置が邪魔で磨き残しが多くなります。その結果、虫歯や歯周病になる可能性が高まります。虫歯や歯周病は、お口の健康を大きく害するだけでなく、治療期間が延長することにもなるため、後悔する人が多いです。とくにマウスピース矯正では、虫歯や歯周病で歯や歯周組織の形が大きく変わると、装置を作り直さなければならないリスクも伴う点に要注意です。

◎痛かった

ワイヤー矯正は、比較的強い力で歯を動かすことから、歯の移動に伴う痛みも強くなります。装置による刺激で、粘膜に痛みを感じることもあります。一方、マウスピース矯正は、比較的弱い力で歯を動かす方法です。個人差はあるものの、マウスピースが原因で歯茎や舌、頬の内側の粘膜に痛みを感じることは少ないでしょう。

◎老け顔、ブサイクになった

患者さんの歯並びや噛み合わせ、骨格の状態によっては、矯正治療後に顔の印象が悪くなることもあります。「早く治療を終えたい」という理由から、無理に矯正を進めていくと、そうしたトラブルに見舞われやすいといえるでしょう。それは顎の骨の吸収が進むことで、口元の張りが失われたり、ほうれい線が目立つようになったりするからです。いあゆる“老け顔”や“ブサイク”といった顔貌への変化を防止するためには、事前に歯科医師と綿密な相談をすることが大切です。

歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔しないためのポイント

ポイント①矯正装置は慎重に選ぶ

歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔する原因の多くは、ワイヤー矯正に当てはまります。透明な樹脂製のマウスピースを使うインビザラインなどでは、そもそも後悔する原因を排除することが可能なので、矯正装置の選択は慎重に行うようにしてください。もちろん、人によっては着脱式より固定式の装置の方が向いている場合もあります。具体的には、マウスピースの装着時間等を自己管理するのが難しいケースでは、固定式のワイヤー矯正を選択した方が後悔や失敗も少なくなることでしょう。

ポイント②矯正治療の目的を明確にしておく

自分が何のために矯正治療を受けるのか、その目的をあらかじめ明確にしておくことが大切です。自信を持って笑える歯並びにしたい、横顔をきれいにしたいなど、ご自身が考える治療目的を明確にした上で、カウンセリングに臨むと良い結果が得られやすくなります。治療目的は矯正のスタート地点であり、ある意味で最も重要なポイントともなりますので、ご自身の考えを改めて整理しておくと良いでしょう。

ポイント③治療の計画や方針を歯科医師と共有する

歯列矯正では、必ず治療の計画や方針の説明を受ける機会があります。その時に不安や疑問に感じることがあれば、すべて解消しておきましょう。仕上がりのイメージもできるだけ細かく歯科医師と共有しておくことが重要です。

まとめ

今回は、歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔する理由とそれを回避する方法について解説しました。歯列矯正は、長い治療期間の中でいろいろなトラブルに見舞われる可能性があります。治療が終わった後もいくつか気を付けなければならない点がありますので、十分にご注意ください。そんな歯列矯正で失敗や後悔しないためにも、歯科医院選びや矯正装置選びには細心の注意を払うようにしましょう。

八重歯矯正で顔は変わる?美人・ブサイクになったと言われる理由等も解説

ひと昔前までは、八重歯が口元の魅力のひとつとして捉えられていました。現在でも“付け八重歯”というサービスもあるくらいですから、八重歯をチャームポイントとして考える人も少なくありません。一方で、歯列矯正で改善したいと希望する人も急速に増えてきています。
その中には、八重歯を歯列矯正すると、顔立ちがブサイクになったと言われるケースもあれば、美人になったと言われるケースもあるため、その効果に不安を感じている人もいらっしゃるようです。ここではそんな八重歯の歯列矯正による顔立ちの変化について、詳しく解説をします。

八重歯とは

八重歯は俗称で、専門的には犬歯低位唇側転位(けんしていいしんそくてんい)といいます。前から3番目の歯である犬歯が通常よりも低い位置にあり、外側に出てしまっている歯並びで、特徴的な見た目を呈します。それが愛らしい印象を与えることから、口元のチャームポイントのひとつとして捉えられていたのです。

八重歯になる原因は?

八重歯になる主な原因は、歯を並べるためのスペースの不足です。顎の骨が小さかったり、歯のサイズが標準よりも大きかったりすると、すべての歯をきれいに並べることが難しくなるため、犬歯が外側に飛び出します。この時なぜ犬歯が外に出るかというと、2番目の側切歯や4番目の第一小臼歯よりも犬歯が生えるタイミングが遅れるからです。

永久歯は前から順番に生えてくるわけではないので、あとから生えてくる歯ほど、スペースの不足によって外側に出やすくなっています。スペースが十分に足りていたとしても、歯の本数が標準よりも多かったり、乳歯の生え変わりが遅れたりすることで八重歯となることもあります。

八重歯によってほうれい線が引き起こされる原因

八重歯の人は、ほうれい線が目立ちやすいという話を聞いたことはありますか?前から3番目の歯が外側に飛び出していることとほうれい線とは何ら関係がないように思えますが、実際はいくつかの関連が認められます。

【原因①】口呼吸が促されるため

八重歯が顕著な場合、それが唇を押し上げる形で影響を及ぼし、口呼吸が促されます。口呼吸では、口腔周囲筋が弛緩し、表情筋の活動も低下することから、ほうれい線が目立つようになるのです。

【原因②】不正咬合による筋力の低下

八重歯による歯並びの問題は、しばしば噛み合わせの異常も引き起こします。そもそも八重歯自体は、下の歯と噛み合うことがありませんし、その影響は上下の歯列全体に及びます。その結果、食べ物をしっかり噛むことができなくなり、そしゃく筋が衰えていくのです。さらにはそしゃく筋と連動している表情筋の活動まで低下して、ほうれい線の形成が促進されます。

【原因③】八重歯によって上唇がめくれる

八重歯が原因で上唇がめくれると、口横と頬の境目にシワができやすくなります。それがそのままほうれい線となって、老けた印象を与えるようになるのです。

八重歯矯正で顔は変わる?

八重歯の症状が顕著な人は、歯列矯正によって顔立ちが変わることがあります。例えば、八重歯が外側に大きく逸脱しているケースでは、適切なスペースを確保するために抜歯が必要になるでしょう。左右の第一小臼歯を抜いた上で犬歯を下げるため、口唇の突出感やほうれい線が目立たなくなるのが一般的です。もともとの歯並びの状態によっては、横顔の美しさの指標となるEラインも理想に近づくかもしれません。また、歯列矯正で噛み合わせが改善され、左右の歯で均等に噛めるようになると、口腔周囲筋のバランスも取れて顔立ちもきれいになる場合があります。

八重歯矯正のメリット

八重歯を歯列矯正で改善すると、次に挙げるようなメリットが得られます。

【メリット①】歯磨きしやすくなる

八重歯の人は、歯磨きのしにくさに悩まされていることでしょう。犬歯が出っ張って、側切歯と第一小臼歯は引っ込んでいるため、歯ブラシを当てるのにとても苦労するからです。おそらく、ワンタフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを毎回活用しなければ、汚れを完全に取り除くことは不可能です。歯列矯正で歯並びがきれいになれば、歯ブラシを並行に当てるだけでも汚れを取り除けます。その結果、歯垢や歯石がたまらなくなり、虫歯・歯周病リスクを抑えられるのです。口臭も発生しにくくなる効果も期待できます。

【メリット②】口内炎ができにくくなる

八重歯によって、唇の内側の粘膜が傷つけられて、口内炎ができてしまうこともあります。口内炎による痛みは耐え難いものであり、食事や会話をするだけでも大きなストレスを感じます。八重歯を歯列矯正で改善できれば、口内炎もできにくくなることでしょう。

【メリット③】見た目のコンプレックスがなくなる

八重歯を口元の魅力のひとつとして捉える人もいますが、八重歯は乱ぐい歯の一種であり、その見た目に自信を持てない人もいます。そんな八重歯を正常な生え方に改善できれば、見た目に対するコンプレックスも解消できることでしょう。

八重歯矯正で美人になったと言われる理由

多くの場合、八重歯の歯列矯正を受けた結果、美人になったと言われるケースがあります。それには次のような理由が考えられます。

◎Eラインがきれいになった

鼻の先と顎の先を結んだ線をEラインと呼び、横顔の美しさの指標となっています。八重歯の人は、口唇が膨らむ傾向にあるため、Eラインも乱れがちです。歯列矯正で口唇の膨らみが解消されてEラインがきれいになると、いわゆる美人顔へと変化します。つまり矯正の結果、美人になったと言われたら、Eラインが関係している可能性が高いのです。もちろんこの変化がすべての八重歯矯正の症例で見られるわけではない点は理解しておく必要があります。

ほうれい線が目立たなくなった

上述したように、八重歯はほうれい線が濃くなる原因のひとつといえます。その八重歯を歯列矯正で治すことができれば、ほうれい線も自然と目立たなくなる傾向があります。ほうれい線の目立ち方によって顔の印象は大きく変わることは皆さんもよくご存知のことでしょう。そのため八重歯の歯列矯正でほうれい線が薄くなり、周囲から「美人になった」と言われることがあるでしょう。

八重歯矯正でブサイクになったと言われる理由

今度は逆に、八重歯の歯列矯正の結果、ブサイクになったと言われるケースについてです。これも現実的にあり得る症状ですが、具体的には次のような理由が考えられます。

お口周りの筋力の低下

矯正中は、装置による痛みや刺激が原因で、お口周りの筋肉を動かさなくなる傾向にあります。これが続くと、お口周りの筋肉と皮膚が弛んで、ブサイクになったような印象を与えるのです。

矯正で出っ歯になった

歯列矯正で八重歯の症状は治ったけれども、前歯部が全体的に前方へと突出して出っ歯になるケースが稀に見られます。これは本来、抜歯が必要なケースで歯を抜かなかったり、歯科医師が適切な治療計画を立てられなかったりした場合に起こり得るトラブルといえます。口元が突出すると、ブサイクになったように見えることがあるため、八重歯の矯正治療を失敗したと後悔することになる可能性があります。

口角と歯の間に隙間ができる

笑った時に口角と歯の間に生じる隙間を「バッカルコリドー」といいます。隙間の部分は黒く見えるため、人によってはブサイクに見えるかもしれません。こうした症状は、抜歯をした症例で見られやすいです。

八重歯の歯列矯正の種類

八重歯を改善できる歯列矯正の種類としては、ワイヤー矯正(表側矯正)、裏側矯正、マウスピース矯正の3つが挙げられます。

表側矯正

歯列の表側にブラケットとワイヤーを固定する治療法です。最もスタンダードな歯列矯正の方法なので、皆さんもご存知のことでしょう。装置が目立ちやすく、食事や歯磨きがしにくいというデメリットがありますが、重症度の高い八重歯にも適応できます。

裏側矯正

歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する治療法です。高度な技術と知識、専用の器具を必要とするため、表側矯正よりも費用が高くなりますが、装置が見えないというメリットを伴います。八重歯を矯正中であることを周囲に気づかれることはまずありません。

マウスピース矯正

透明なマウスピースを使って歯並びを治す方法です。軽度から中等度の八重歯ならマウスピース矯正でも改善きますが、抜歯をして歯を大きく動かす必要がある重症例は、ワイヤー矯正の方が向いています。装置が目立たない、食事や歯磨きを普段通りにできる、治療に伴う痛みが少ないなど、マウスピース矯正にはたくさんのメリットがあります。

八重歯矯正で歯科医院を選ぶ際のポイント

最後に、八重歯の歯列矯正で失敗や後悔をしないための歯科医院選びのポイントをご紹介します。

【ポイント①】日本矯正歯科学会の認定医を探す

歯列矯正の経験や知識が豊富であるかは、日本矯正歯科学会の認定医の有無によって比較的容易に見極められます。認定医の資格は、治療者が一定水準以上の治療技術を持っていることを示します。ただし、これはあくまで目安であるため、過去に八重歯の症例をきちんと治した実績があるかどうかも確認する必要があります。

【ポイント②】説明が丁寧でわかりやすい

八重歯の矯正治療の診断結果や治療計画の内容に納得できるかはとても重要なポイントです。少しでも不安や疑問に感じることがあれば、歯科医師に尋ねましょう。その際、丁寧に説明してくれて、疑問点をきちんと解消してくれる歯科医師でなければ、八重歯の治療を任せるのは不安と言わざるを得ません。

【ポイント③】アフターケアがしっかりしている

歯を動かす動的治療が終わった後も後戻りを防止するための保定処置が必要となります。そうした保定期間中も継続して適切なケアしてくれる歯科医院であれば、八重歯の歯列矯正を安心して任せられることでしょう。

まとめ

今回は、八重歯の歯列矯正で顔立ちが変わることがあるのかについて解説しました。本文でも述べたように、患者さんのもともとの顔立ちや歯並び、噛み合わせの状態によっては、八重歯を歯列矯正で治すことで美人になることもあれば、ブサイクになることもあります。つまり、良い変化と悪い変化の両方が起こり得るのです。当然ですが良い変化は歓迎すべきもので、悪い変化はできるだけ避けたいものですよね。後者に関しては、八重歯の治療実績が豊富で、説明が丁寧、アフターケアがしっかりしている歯科医院を見つけることで、そのリスクを最小限に抑えられます。そうした優れた歯科医師・歯科医院を見つけることができれば、美人になったと言われるような矯正治療が受けられるでしょう。

過食嘔吐で歯が溶ける?症状・原因・嘔吐後のケア方法等を解説

摂食障害の一種である過食嘔吐は、文字通り過剰に食事をとったあとに嘔吐する症状です。嘔吐は、自己誘発的に行うことが一般的で、手に吐きだこが現れやすいです。また、唾液腺が腫れたり、貧血や脱水などさまざまな症状が見られます。その中でも深刻なのが過食嘔吐で歯が溶ける現象です。歯は再生することがない組織であることから、過食嘔吐による歯の溶解は、可能な限り防ぎたいものです。ここでは過食嘔吐で歯が溶ける症状や原因、嘔吐後のケア方法を詳しく解説します。

過食嘔吐の繰り返しで歯に起こる症状

摂食障害によって過食嘔吐が習慣化していると、次のような症状が見られます。

【症状①】歯が黄色くなる

過食嘔吐を繰り返している場合は、歯の色を観察してみましょう。歯が黄色く見えたら、胃酸によってエナメル質が溶けている可能性があります。胃酸はpHが1~2の強酸であるため、酸性の刺激に弱いエナメル質は容易に溶けていきます。エナメル質の下にはもともと黄色味を帯びている象牙質があることから、胃酸で歯が溶けるほど、黄ばみも強くなっていくのです。もちろん、歯の黄ばみが食べ物・飲み物に含まれる着色である可能性も否定できないため、正確な診断は歯科医院で受けることが大切です。

【症状②】虫歯を発症する

過食によって食事の回数が増えたり、タイミングが不規則になったりすると、虫歯リスクは大きく上昇します。これは、過食症でお口の中が不潔になる時間が長くなることが主な原因です。とくに過食症によって食事の時間が長くなっている場合は、細菌の活動も活発になることから十分な注意が必要といえます。

【症状③】酸蝕症(さんしょくしょう)になる

酸蝕症とは、酸によって歯が溶けていく病気です。細菌が産生した酸によって歯が溶ける病気は虫歯ですが、それ以外の酸で歯が溶ける現象は酸蝕症に分類されます。今回のテーマである過食嘔吐では、歯が胃液に含まれる胃酸に晒されることで酸蝕症を発症するのです。

歯を溶かす原因になるもの

過食嘔吐で見られる口腔内の主な症状は歯の溶解です。それは次の2つの原因によって引き起こされます。

【原因①】胃酸

繰り返しになりますが、胃液に含まれる胃酸は、pHが1~2の強酸です。この強酸に晒されたエナメル質は、比較的速いスピードで溶けていきます。どれくらいで歯が溶けるかというと、実際は数週間から数ヵ月かかりますが、嘔吐する頻度やその後のケアの状態によっては、より短期間で歯が溶ける場合もあるため、十分な注意が必要です。それだけに過食嘔吐の習慣はできる限り早期に改善したいものです。

【原因②】食べ物・飲み物に含まれる酸

私たちが普段、口にしている食べ物や飲み物にも酸が含まれています。最もわかりやすいのは酸味の強い梅干しで、pHは2~3程度、コーラやジュースといった清涼飲料水も同程度のpHであることを知っておきましょう。それらを過剰に摂取していれば、酸蝕症や虫歯のリスクも自ずと上昇します。

過食嘔吐後の歯のケア方法

このように、過食嘔吐の習慣があると、歯に深刻なダメージが及ぶため、適切なケアが必要となります。具体的には、次のケア方法を実践することで、口腔内pHが中性付近へと戻り、歯の表面を覆っているエナメル質を守りやすくなります。

【方法①】水で口すすぐ

嘔吐後には、できるだけ早く水で口をすすぐようにしてください。胃酸によって酸性に傾いた口腔内のpHは、水でうがいをするだけでも中性付近まで戻すことが可能です。フッ化物入りのうがい薬で洗口すれば、虫歯予防にも大きく寄与することでしょう。ただし、水ですすいだだけでは、歯の表面に付着した歯垢などは取り除けませんので、うがいはあくまでpHの改善が目的となります。

【方法②】歯磨きをする

嘔吐後のpHの低下は、うがいである程度、改善できますが歯に付着した汚れは歯磨きでなければ取り除けません。過食および嘔吐後には、歯磨きも行うようにしてください。

【方法③】ガムを噛む

嘔吐後にガムを噛むのも口腔内のpHを中性付近までに戻すのに有効です。ガムは唾液の分泌を促してくれるからです。ちなみに、唾液にはpHを中性付近まで戻す緩衝作用(かんしょうさよう)が備わっています。

【方法④】マウスピースを装着する

胃酸による歯の溶解を直接的に防ぐ方法としては、マウスピースの装着が挙げられます。嘔吐によって虫歯や酸蝕症を発症し、歯がボロボロになっていることを伝えれば、歯科医院で歯を守るためのマウスピースを作ってもらえることがあります。それを嘔吐する際に装着していれば、歯が溶ける現象を最小限に抑えられます。

歯を溶かさないための対策法

最後に、過食嘔吐で歯を溶かさないための対策法をご紹介します。

【対策法①】食事の時間を短くする

食事の時間が長くなればなるほど、歯が酸性の刺激に晒される時間も長くなります。そのため食事の時間はできるだけ短くするのが望ましいです。過食症の場合は、食事の時間のコントロールが難しいかもしれませんが、1回あたり20~30分以内に抑えると、歯に与える悪影響も減らすことができます。

【対策法②】ストローを活用する

清涼飲料水やアルコールなど、酸性の強い飲み物を飲む時はストローを活用するようにしましょう。コップに口をつけて飲むと、飲料が口腔内全体に広がりますが、ストローを使えばそのまま喉の奥に流し込むことが可能となります。その結果、歯が酸性の刺激に晒されにくくなるのです。

【対策法③】唾液の分泌量を増やす

上述したように、唾液には口腔内の環境を中性付近に保つ緩衝作用があります。普段からガムを噛んだり、唾液腺マッサージを行ったりして唾液の分泌量を増やしておけば、過食嘔吐による悪影響を減らすことができます。

【対策法④】口腔ケアを徹底する

日頃から歯磨きやうがいなどを徹底しておけば、いざ過食や嘔吐をしてしまっても、歯への影響を最小限に抑えられます。正しい口腔ケアの方法は、歯科医院でのブラッシング指導で身につけると良いでしょう。その時に過食嘔吐に関しても歯科医師や歯科衛生士に相談すると、より良い対策法を提案してもらえるかもしれません。

まとめ

今回は、過食嘔吐で歯が溶ける症状や原因、嘔吐後のケア方法などを解説しました。過食嘔吐で歯が溶けるのは、虫歯や酸蝕症による影響です。歯が黄ばんで見えたり、明らかに溶けていたりする場合は、胃酸や食べ物に含まれる酸でエナメル質の溶解が起こっています。

ちなみに入れ歯のような人工物は、胃酸などで溶けることはほとんどありませんが、材料が劣化していくことは間違いありません。嘔吐反射による歯の溶解やお口の症状に悩まされている場合は、一度、歯科医院で相談することをおすすめします。歯科医院なら過食嘔吐でボロボロになった歯もきちんと治療してくれます。

摂食障害で歯がボロボロになるのはなぜ?その原因と治療方法等を解説

食事の摂り方に大きな問題を抱えてしまう摂食障害。現代人に比較的多く見られるもので、その症状に悩まされている方も多いことでしょう。摂食障害は、お口の健康とも直結しています。とくに摂食障害が原因で歯がボロボロになった人は、「どうにかして改善したいけれど、治療する方法がわからない」「歯がボロボロなので歯科医院を受診するのが恥ずかしい」と感じているかもしれません。今回はそんな方に向けて、摂食障害で歯がボロボロになる原因とその治療法をわかりやすく解説します。

摂食障害で歯がボロボロになる原因

摂食障害で歯がボロボロになる原因としては、主に「酸蝕症(さんしょくしょう)」と「虫歯」の2つが挙げられます。

【原因①】酸蝕症(さんしょくしょう)

酸蝕症(さんしょくしょう)とは、飲み物や食べ物に含まれる酸によって歯が溶けていく病気です。私たちの歯は、虫歯菌が産生する酸以外でも溶けていく性質があります。例えば、嘔吐によって胃液が食道から口腔へと逆流することでも同様の現象が起こります。胃液を構成する胃酸は、pHが1~2という極めて強い酸だからです。ちなみに酸蝕症では、次のような症状がみられます。

  • エナメル質が溶けて黄色い象牙質が見えている
  • 歯の表面がギザギザになっている
  • 歯が短くなっている
  • 歯の裏側がくぼんでいる

酸蝕症については以下のページで詳しく説明しています。併せてご覧ください。
酸蝕症とは?|恵比寿ミカ歯科クリニック

【原因②】虫歯

摂食障害と虫歯には、何ら関係がないように思えますが、実際はそうではありません。例えば摂食障害で過食症の症状が見られる人では、食事をする回数やタイミングが不規則になり、虫歯の原因となる糖質の摂取量も自ずと多くなることでしょう。逆に、拒食症の症状が見られる人では、食事をする回数や量は減るのですが、長時間アメを舐めたり、口腔ケアへのモチベーションが低下したりするなどして、虫歯リスクが上昇します。その他、摂食障害では治療で服用している薬の副作用で唾液の分泌量が低下し、口腔衛生状態が悪くなる場合もあります。
虫歯は痛みを伴うことが多々ありますので、早急な治療が必要とされます。

摂食障害でボロボロになった歯の治療方法

ここからは、摂食障害でボロボロになってしまった歯の治療方法の解説です。病気のせいで歯がボロボロになってもきれいに治す方法がありますのでご安心ください。

【方法①】コンポジットレジン修復

摂食障害でボロボロになった歯を治療する方法として、もっとも標準的なのはコンポジットレジン修復です。酸蝕症や虫歯で溶けた歯質を歯科用プラスチックで修復します。コンポジットレジン修復なら歯型取りが不要であることから、受診したその日に修復治療を終わらせることも可能です。ただし、摂食障害でボロボロになった範囲が広く、重症度が高い症例は、コンポジットレジンでの修復が困難であるため、その他の方法で治療することになります。

【方法②】セラミック治療

セラミック製の詰め物や被せ物を装着する方法です。摂食障害による影響で歯の頭の部分の歯冠(しかん)の一部、あるいは大部分を失った症例でも、セラミック治療なら広く適応できます。しかもセラミックは天然のエナメル質そっくりに仕上げられるため、摂食障害でボロボロになった歯でもきれいに治せることでしょう。ちなみにセラミックは安定性や強度にも優れた材料なので、経年的な摩耗や変色などがほとんど起こりません。金属材料を一切使用しなければ、金属アレルギーのリスクもゼロにできます。

【方法③】入れ歯治療

酸蝕症や虫歯が重症化すると、抜歯を余儀なくされることもあります。そうしたケースでも歯を抜いた後に入れ歯を装着すれば、失った歯の審美性や機能性は回復できます。最近では、テレスコープ義歯やノンクラスプデンチャーなど、審美性に優れた入れ歯も普及していることから、若い人でも抵抗なく入れ歯を装着できます。

摂食障害と歯科医院

勇気を出して歯科を受診しましょう

摂食障害で歯がボロボロになると、見た目が恥ずかしいというだけでなく、酸蝕症や虫歯が重症化するまで放置してしまったことを怒られるのではないかという不安も抱いてしまいます。そうなるとなかなか歯科を受診する勇気も沸いてこないかもしれません。

しかし、歯科医師は虫歯や歯周病だけではなく、口腔全体の健康や病気にも精通しています。酸蝕症や虫歯で歯がボロボロになっている口腔を見たら、心身に何らかの問題を抱えていると想像するのが普通です。また、歯がボロボロになったことはもちろん、心身の病気を患ったことを頭ごなしに否定するのは医療従事者として適切ではありません。そのため、まずは恐れずに歯科医院を受診することをおすすめします。

歯の治療が摂食障害の改善につながる

摂食障害は、女性の10人に1人が悩まされる症状ともいわれています。決して珍しい病気ではないので、歯の治療の際にもためらわずに歯科医師に相談すると良いでしょう。歯科医師の役割は、患者さんのお口の健康を維持することです。その健康を害するような要因がある場合は、それを取り除く方法を考えます。もちろん、歯科医師が摂食障害の治療を行うことはできませんが、嘔吐後の対応についてアドバイスを行ったり、心療内科や精神科などを紹介してくれたりするなど、患者さんに寄り添ってくれるでしょう。

嘔吐で歯がボロボロにならないための対策

過食嘔吐などの影響で歯がボロボロにならないためには、次の対策をとる必要があります。

【対策①】うがいをする

過食をした時には、お口の中が汚れます。食品の中には酸性度の高いものもたくさんあるため、できるだけ早くうがいをして、口腔内のpHを中性付近まで戻すよう努めましょう。とくに嘔吐した場合は、強酸である胃酸が口腔内へと流れ込んでくるため、歯が溶けるリスクが高まります。

【対策②】歯磨きをする

過食や嘔吐をした後は、うがいに加えて歯磨きもすると良いです。歯の表面に付着した汚れをきれいに取り除くことで、虫歯や酸蝕症のリスクを減らせます。

【対策③】マウスピースを装着する

摂食障害で頻繁に嘔吐してしまう場合は、歯を守るためのマウスピースを装着すると良いでしょう。胃酸が歯に直接、接触するのを防ぐだけでも酸蝕症のリスクを低減できます。歯を守るためのマウスピースの作成は、歯科医院で行うことも可能です。

まとめ

今回は、摂食障害で歯がボロボロになる原因と治療方法について解説をしました。摂食障害では、主に虫歯と酸蝕症が原因で歯がボロボロになる可能性があります。
摂食障害で歯がボロボロになっても、歯科医院では患者様に寄り添って治療法を考えます。ですので、ためらわずに相談することが大切です。ボロボロになった歯はより深刻なトラブルを招きかねないことから、早急な受診を推奨します。

歯のクリーニングとは? ホワイトニングとの違いやメリット等を解説

歯ブラシによるブラッシングで取り除けない汚れは、歯科医院での処置で除去することをおすすめします。歯科医師や歯科衛生士といったプロフェッショナルによる処置は、安全性を確保した上で、歯の黄ばみや黒ずみを改善できます。
その際に選択肢で迷うのが歯のクリーニングとホワイトニングです。どちらも歯をきれいにするための処置なので混同されている方も多いようですが、実際は異なる面がいくつかあります。
ここではそんな歯のクリーニングに焦点を当てて、ホワイトニングとの違いやメリットなどを詳しく解説します。

歯のクリーニングとは

歯のクリーニングとは、文字通り歯のお掃除です。歯の表面に付着したプラーク(歯垢)や歯石などの汚れを機械的な方法で除去します。具体的には、歯面のプラークやバイオフィルム、ステインなどを電動のブラシでブラッシングして、最後に研磨することで汚れの再付着を防ぎます。

歯石は、プラークが石灰化を受けて石のように硬くなった汚れで、リン酸やカルシウムなどが沈着していることから、歯科医院の電動のブラシでも取り除くことが難しいです。そこで活用されるのがスケーラーと呼ばれる器具です。先端が刃物のように鋭利なスケーラーには、手で動かすタイプと超音波が発生する電動タイプとがありますが、どちらも歯石を削り落とすために使われます。

このように、歯のクリーニングでは細菌の温床となるプラークや歯石、バイオフィルムを除去することで、虫歯を予防する効果が期待できます。同時に、ステインなどの黄ばみも取り除けることから、歯を白く、きれいにする作用も発揮してくれることでしょう。そうした点を踏まえると、歯のクリーニングは“治療”のひとつに位置付けることも可能といえます。

クリーニングとホワイトニングの違い

ホワイトニングは、歯をきれいに見せることに重きを置いた処置なので、基本的に治療ではありません。実際、保険診療の治療でホワイトニングを行うことは皆無に等しいです。もちろん、ホワイトニングでは歯の内部に沈着した色素や汚れを化学的に分解・除去するのですが、その状態を放置していたとしても、虫歯や歯周病になるわけではないので、やはり治療と呼ぶのは正しくないでしょう。虫歯や歯周病の原因ともなり得る歯垢・歯石・バイオフィルムを除去するクリーニングと対比した場合、ホワイトニングは審美的なケアにとどまるといわざるを得ません。

クリーニングを行うメリット

歯科医院でのクリーニングを定期的に受けていると、次に挙げるようなメリットが得られます。

メリット①虫歯・歯周病リスクを低減できる

歯垢や歯石、バイオフィルムは細菌の温床となるため、放置していると虫歯・歯周病リスクが上昇します。クリーニングで一掃することができれば、それらのリスクも低下することでしょう。

メリット②口臭を予防しやすくなる

口臭の主な原因は、口腔内の汚れと細菌です。とくに歯周病菌は「メチルメルカプタン」という腐った玉ねぎのような臭気を放つため、その温床となる歯石をきれいに取り除けるクリーニングは、口臭予防に寄与します。歯面の汚れがなくなれば、食べカスの沈着も起こりにくくなることでしょう。

メリット③歯の色がきれいになる

歯垢や歯石は、食品に由来する色素が沈着することで、歯を黄ばませます。クリーニングで歯面が滑沢になっていれば、歯の色も正常に保ちやすくなります。

クリーニングの種類

歯科医院での歯のクリーニングは、保険診療と自費診療の2つに大きく分けられます。

保険診療のクリーニング

保険診療のクリーニングは、定期検診・メンテナンスの一環として行われます。厳密には、歯周病の治療や予防を目的として行うため、歯のクリーニングにかけられる時間は10~15分程度と短くなっている点に注意しなければなりません。保険診療の定期検診では、その他にも「歯周ポケット検査」や「歯の動揺度検査」、「ブラッシング指導」などを実施する必要があるため、歯のクリーニングはその中のひとつの処置でしかないのです。

自費診療のクリーニング

自費診療のクリーニングでは、上段で説明した歯周病の検査を行う必要はありません。歯のクリーニングだけに時間をかけられるため、1回あたり30~90分程度の清掃を受けることができます。しかも自費診療では保険診療では使うことができないジェットウォッシャーなどを活用できることから、歯の表面に付着した汚れ・ステインをより効率よく落とせるのです。

クリーニングとホワイトニングの費用の違い

続いては、歯のクリーニングとホワイトニングの費用を比較してみましょう。それぞれ異なる効果が期待できるだけでなく、費用の面でも大きな違いが見られます。

クリーニングの費用

歯のクリーニングにかかる費用は、保険診療で3,000円程度、自費診療では5,000~20,000円程度となっています。自費診療のクリーニングは、処置の時間や使用する機材・薬剤によって費用が大きく異なります。30分程度の短いクリーニングなら、自費診療でも比較的安く受けることができるでしょう。

ホワイトニングの費用

ホワイトニングは、歯を美しくするための処置なので、原則的に保険が適用されません。全額自己負担となることから、実際に支払う医療費も相応に高くなります。即効性が高く、歯科医師や歯科衛生士といった専門家による施術を受けられるオフィスホワイトニングは、1回あたり20,000~50,000円程度の費用がかかります。歯科医院で作った自分専用のマウスピースとホワイトニング剤を使って自宅で施術するホームホワイトニングは、15,000~35,000円程度の費用がかかるのが一般的です。

クリーニングとホワイトニングの順番

ここまで歯のクリーニングとホワイトニングの施術内容や費用の違いについて解説してきましたが、どちらか一方を選ばなければならないというわけではありません。当院でも歯のクリーニングとホワイトニングの両方を、定期的に受けている患者さんはたくさんいらっしゃいます。そこで気になるのが歯のクリーニングとホワイトニングはどちらを先に受けるべきか、という点ですよね。

クリーニングを先に受けるのが原則

クリーニングとホワイトニングを併用する場合は、必ず前者を先に受けるようにしてください。なぜなら歯垢や歯石、バイオフィルムなどが付着した状態だと、ホワイトニング効果が減弱してしまうからです。ホワイトニングに使用する薬剤は、過酸化水素や過酸化尿素といった漂白作用のある成分で構成されているため、エナメル質の中に染み込まなければ意味がありません。歯の表面に付着した汚れに作用しても歯そのものを白くすることはできないのです。

クリーニングに先に行って、歯垢や歯石を一掃してしまえば、何もしていない場合よりもホワイトニング剤がエナメル質へと染み込みやすくなり、漂白作用もスムーズに進みます。歯科医院のホワイトニングでは、薬剤を作用させる前に大まかな歯面清掃を行いますが、歯のクリーニングほどしっかりは磨きません。ですので、万全を期すのであれば、歯のクリーニングを先に受けて、その後にホワイトニングを実施するのがおすすめです。

まとめ

今回は、歯のクリーニングの特徴や目的、ホワイトニングとの違いなどについて解説をしました。歯のクリーニングは、歯面の汚れを取り除くことが主な目的であるため、歯を白くするホワイトニングとは根本的に異なる処置です。ただ、その2つを組み合わせることで、より清潔でより美しい歯に仕上げられますので、歯の審美性を追求したい方は併用するのがおすすめです。

クリーニングだけ行う場合でも、虫歯や歯周病、歯の着色、口臭などを予防しやすくなります。そんなお口の健康や美しさに関心のある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。当院では歯のクリーニングとホワイトニングの両方に対応しております。

ホワイトニングが痛い?その原因・対処法・予防方法等を解説

歯が黄ばんでいると、それだけで口元の審美性が大きく低下します。とくに歯の黄ばみ・黒ずみが上の前歯に見られると「不潔」とか「不衛生」、「不健康」といった印象を相手に与えてしまうかもしれません。それだけに歯の着色はホワイトニングでしっかりと改善したいものです。
けれども、「ホワイトニングはめちゃくちゃ痛い」という感想を耳にすることもあるため、なかなか歯科医院を受診できないという方もいらっしゃることでしょう。ここではそんなホワイトニングに伴う痛みの原因や対処法、予防方法などを詳しく解説します。

ホワイトニングは痛い?

結論からいうと、ホワイトニングで痛みが生じることはあります。それは冷たいものを口にした時に歯がキーンとしみる知覚過敏の症状で、ホワイトニングの施術を受けた人全体では、2割程度で現れるといわれています。つまり、歯科医院のホワイトニングを受けた人の8割程度は痛いと感じることがないのです。この割合を多いと感じるか、少ないと感じるかはそれぞれの価値観によって変わってくるといえるでしょう。

◎ホワイトニングの痛みの程度・種類について

上述したように、歯科医院のホワイトニングでは一部の症例で知覚過敏の症状が認められますが、その痛みの感じ方にも個人差が見られます。具体的には、ホワイトニングの痛みを次のように感じるようです。

  • ズキズキと脈打つような痛み
  • 虫歯治療で麻酔が切れた後のような痛み
  • キーンという冷たいものがしみるような痛み
  • 歯がうずくような感覚
  • 脳にまで達する鋭い痛み

このように、ホワイトニングに伴う痛みの感じ方は、それぞれの歯の状態や体調、刺激への感受性によっても変わります。

ホワイトニングで痛みが生じるメカニズム

ホワイトニングで痛みが生じるのは、知覚過敏によるものです。知覚過敏とは、外からの刺激によって歯の神経が過剰に反応する症状で、エナメル質に亀裂や欠けがあったり、虫歯になっていたりすると現れやすいです。

エナメル質の状態が重要

私たちの歯は外側がエナメル質、内側は象牙質で覆われています。エナメル質は人体で最も硬い組織であり、冷たい飲み物に触れたり、歯ブラシでブラッシングしたりしても、痛みを感じることはありません。一方、象牙質には部分的に歯の神経が分布しているため、そこに外からの刺激が伝わると、歯がキーンとしみる知覚過敏の症状が現れます。つまり、エナメル質に亀裂や欠けがあると、そこからホワイトニング剤がしみ込んで象牙質の神経を刺激するため、痛みが生じるというメカニズムになっています。

ホワイトニングで痛くなるタイミング

歯科医院のホワイトニングで痛くなるタイミングは、3つに分けられます。それはホワイトニングの施術中と施術直後、帰宅してから数時間後です。どのタイミングで痛みが生じるのかは一概に語れません。単純に考えると、ホワイトニングの施術中に痛みが生じやすそうですが、施術直後や帰宅してからも知覚過敏は起こり得ます。これも患者さんの歯や体調に左右されるため、実際にホワイトニングしてみなければわかりません。とはいえ、ホワイトニングに伴う痛みは一時的なものなので、長く悩まされるようなことはまずありません。その点はご安心ください。

ホワイトニングの痛みはいつまで続く?

ホワイトニングの痛みは、施術から数時間、もしくは1日後まで続くのが一般的です。症状が強く現れている場合は、2日程度、痛みが続くこともあります。しかし、1日中痛いというわけではなく、冷たいものを口にしたり、歯ブラシで刺激したりした時にだけ、知覚過敏の症状が現れます。ですので、日常生活に大きな支障をきたすことはまずないでしょう。逆にいうと、痛みが3日以上続いたり、知覚過敏の症状で仕事や眠りに支障をきたしたりするような場合は、何らかの異常が疑われるため、主治医に相談することをおすすめします。具体的には、歯の神経に炎症反応が生じる歯髄炎を発症している可能性が考えられます。

ホワイトニングで痛みが生じる原因

続いては、歯科医院のホワイトニングで痛みが生じる原因についてです。ホワイトニングで歯がしみる場合は、次に挙げるような症状が背景にあるものと考えられます。

【原因①】エナメル質に欠けやひびがある

ホワイトニングで痛みが生じる主な原因は、エナメル質の欠けやひび割れです。歯の表面を覆っているエナメル質にそうした異常があると、過酸化水素からなるホワイトニング剤が象牙質にまでしみこんで、歯の神経を刺激します。一見きれいに見える歯でも、実際に専門家が診ると欠けやひびが認められる場合があるため、ホワイトニングの前の口腔内診査が必須となっています。

【原因②】虫歯になっている

虫歯は、細菌が産生した酸によって歯質が溶かされている病気です。つまり、エナメル質や象牙質に穴があいて、歯の神経が刺激を受けやすくなることから、ホワイトニング剤で知覚過敏が起こりやすくなります。そのため虫歯がある状態で、歯科医院のホワイトニングを実施することはまずありません。

【原因③】もともと知覚過敏の症状がある

当然ですが冷たいものに触れるとキーンとしみる知覚過敏の症状を持っている人は、ホワイトニングでも痛みが生じやすいです。その原因としては、もともとエナメル質が薄い、歯ぎしりや強いブラッシング圧でエナメル質が摩耗している、エナメル質に欠けやひびが入っているなどさまざまです。いずれにしても健全な歯よりもホワイトニングで痛みが生じるリスクが高くなっている点に注意しなければなりません。

【原因④】歯茎が下がっている

加齢や歯周病などで歯茎が下がっていると、ホワイトニングで痛みが生じやすいです。なぜなら歯の根っこのエナメル質が分布していないからです。健全な状態でも象牙質がむき出しになっているので、そこに過酸化水素からなるホワイトニング剤を作用させればキーンとしみてしまいます。

ホワイトニングで痛みが生じた際の対処法

ホワイトニングの施術後や帰宅後に痛みが生じた場合は、次の方法で対処しましょう。

【方法①】歯磨きやうがいで薬剤を洗い流す

まずは歯磨きやうがいをして、お口の中に残っているホワイトニング剤を洗い流しましょう。その際、フッ素入り歯磨き粉を使うと、僅かながらではありますがエナメル質を刺激から守る効果が期待できます。

【方法②】刺激の強い食品を口にしない

極端に冷たいものや辛いもの、熱いものは歯の神経を刺激するので、ホワイトニング直後は控えるようにしてください。ホワイトニングで痛みが生じている場合はなおさら、刺激の強い食品を口にしないようにしましょう。

【方法③】痛み止めを飲む

ホワイトニング後の痛みが我慢できないほどのものである場合は、市販の鎮痛剤を飲んで痛みを抑えましょう。いつも飲んでいる鎮痛剤で構いませんので、用法・用量を守った上で正しく服用してください。

ホワイトニングの痛みを予防する方法

ホワイトニングに伴う痛みは、次の方法を実践することで予防しやすくなります。

【方法①】虫歯は優先的に治療する

ホワイトニングを検討中で虫歯がある場合は、必ず虫歯治療を先に終わらせておきましょう。そもそも虫歯を放置した状態では、歯科医師がホワイトニング処置にゴーサインを出すことができません。また、虫歯は進行性の病気であり、放置していても自然に治ることはないため、できるだけ早く治療した方が良いでしょう。

【方法②】知覚過敏を改善できる歯磨き粉を使う

市販の歯磨き粉の中には、知覚過敏の症状を緩和できる製品もあります。それは「硝酸カリウム」という成分が含まれている歯磨き粉で、歯の神経への刺激を抑えることが可能です。皆さんが普段から使っているフッ素入り歯磨き粉も結果としてエナメル質を強くすることから、ホワイトニングに伴う痛みを抑制できます。

【方法③】定期的な歯科検診・メンテナンスを受ける

3~4ヵ月に1回の頻度で歯科検診・メンテナンスを受けていれば、歯の欠けやひび、虫歯などを早期発見・早期治療できます。つまり、いつでも万全の状態でホワイトニング処置を受けられるようになります。

まとめ

今回は、歯科医院のホワイトニングで痛みが生じる原因や対処法、予防方法について解説しました。ホワイトニングで痛みが生じるのは、漂白作用のある薬剤が歯の神経を刺激するからです。歯の欠けやひび、虫歯があると、エナメル質から象牙質へとホワイトニング剤が流れ込んでしまうため、キーンという知覚過敏の症状が現れます。

そうしたホワイトニングによる痛みは、虫歯や歯の欠けを事前に治したり、歯を強くする歯磨きを日頃から使ったりすることで予防しやすくなります。仮にホワイトニングで痛みが生じたとしても、一時的なものなので、過剰に心配する必要もないでしょう。ホワイトニングによる痛みが長く続くようであれば、主治医に相談しましょう。

虫歯があってもホワイトニングはできる?注意点等も解説

虫歯になっている歯があるけれど、できれば今すぐにでもホワイトニングで歯を白くしたい!そんな切実な悩みを抱えている方は、一度、立ち止まって正しい知識を身に付けましょう。虫歯がある状態でオフィスホワイトニングやホームホワイトニングをすることはリスクを伴うため、虫歯治療後にホワイトニングを行うことが推奨されます。
今回はそんな虫歯治療後にホワイトニングを行った方がよい理由や施術時の注意点などを詳しく解説します。

虫歯治療後にホワイトニングを行った方がよい理由

【理由①】歯の神経を傷める恐れがある

虫歯になっているということは、エナメル質が薄くなったり、穴があいていたりすることを意味します。虫歯の進行度が高い場合は、歯の神経までの距離が近づいているか、露出している場合も考えられるでしょう。そのような状態で漂白作用のある薬剤を使うと、歯の神経を傷めてしまいます。歯がキーンとしみる知覚過敏の症状にとどまらず、歯が傷害されて起こる歯髄炎や歯髄壊死のリスクも伴う点に気を付けなければなりません。

【理由②】虫歯は進行し続ける

虫歯は、自然に治ることがない病気です。ホワイトニングを優先して虫歯を放置していれば、当然ですが病状は悪化していきます。その結果、本来は必要がなかった歯の神経を抜く処置や根管治療を行わなければならなくなるかもしれないのです。ちなみに、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングで使用する薬剤は、漂白作用はあるものの、虫歯菌を殺す作用はありませんのでその点は正しく理解しておくことが大切です。

【理由③】詰め物や充填物が外れることがある

虫歯治療中は、セメントなどの材料を一時的に詰めることがあります。そうした材料は、ホワイトニング剤によって損傷を受けて外れてしまうことがありますので気を付けてください。虫歯治療とホワイトニング処置を同時に行うことはできないのです。

虫歯治療後にホワイトニングを行う際の注意点

上段で解説した通り、虫歯がある場合は原則として虫歯治療を先に行うことになりますが、いくつか注意しなければならない点があります。

注意点①ホワイトニングで白くできるのは天然歯のみ

ホワイトニングに使用される、過酸化水素や過酸化尿素といった漂白剤で白くできるのは天然歯のみです。一般的に、人工物の方が白くできそうと思いがちですが、実際には虫歯治療で入れた詰め物や被せ物には効果がありません。

そこでもう1点注意が必要なのが虫歯治療で装着する詰め物や被せ物の材料です。詰め物や被せ物の材料としてコンポジットレジンを使うと、経年的な劣化によって黄色く黄ばんでしまうため、ホワイトニングとの相性はあまり良くありません。安定性が高く、摩耗も起こりにくいセラミックなら、虫歯治療後にホワイトニングを行っても、美しい白さを長く維持しやすくなります。

注意点②神経を抜いた歯はホワイトニングできない

虫歯治療で歯の神経を抜いた場合は、基本的にオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの適応外となります。無理にホワイトニングしても十分な効果が得られませんので、抜髄後は後段で解説する「ウォーキングブリーチ」という方法を選択した方が良いです。

注意点③初期の虫歯はホワイトニングを優先することがある

発生して間もない初期の虫歯は、積極的な治療が不要となる場合があります。あるいは、しばらく経過を見てから虫歯治療を始める場合もあるため、そうしたケースではホワイトニングを先に行うこと場合もあります。それはとても難しい判断になることから、必ず歯科医師と相談した上で決めなければなりません。

ホワイトニング中は虫歯になりやすい?

ホワイトニングは、歯がキーンとしみる知覚過敏が起こりやすかったり、施術直後は着色のリスクが高まったりすることから、治療期間中は虫歯になりやすいと考えている方が多いようです。しかし、それは必ずしも正しいわけではありません。

◎ホワイトニングで歯を傷めることはない

確かに、ホワイトニングでは漂白作用を発揮する刺激の強い薬剤を使いますが、その結果、歯にダメージが及ぶことはありません。歯を削るわけではないため、ホワイトニング自体が直接虫歯リスクを大きく上昇させるわけではありません。

◎ホワイトニング直後は注意が必要

歯科医院のホワイトニングは、歯を傷つけることのない、安全性が保証された処置法ではありますが、注意点がひとつあります。それはホワイトニング直後の歯の状態です。
私たちの歯は普段、「ペリクル」という薄い膜で覆われており、外からの刺激を守る役割を果たしていますが、ホワイトニング直後はその膜が一時的に消失します。つまり、エナメル質が丸裸の状態となるため、外からの刺激を受けやすくなるのです。

例えば、ペリクルがない状態で酸性の刺激が加わると、普段以上に脱灰現象(だっかいげんしょう)が進みやすくなります。歯の汚れも付着しやすくなることから、虫歯リスクが一時的に大きく高まるといっても間違いではないのです。

そこで皆さんに意識していただきたいのがホワイトニング直後の食事と口腔ケアです。オフィスホワイトニングやホームホワイトニングを行った直後はできる限り水以外の飲食は避けるようにしましょう。施術から24時間経過するまでは、酸性度の強い食品や着色性の高い飲み物・食べ物を避けることも大切です。

◎ホワイトニング中は虫歯リスクが下がることもある

歯科医院でのホワイトニングでは、必ず事前に歯のクリーニングを行います。歯の表面に付着した歯垢・歯石・バイオフィルムなどを一掃することで、ホワイトニング剤がエナメル質へと浸透しやすくなるからです。これらはすべて虫歯菌を始めとした細菌の温床となる汚れなので、虫歯リスクを低下させることにつながります。ホームホワイトニングでも患者さん自身が施術前に必ずブラッシングをすることから、虫歯リスクを下げることにつながります。

ホワイトニング中に虫歯になるのを防ぐ方法

ホワイトニングは歯を白く、美しくする処置であるにも関わらず、その期間中に虫歯を発症してしまったら元も子もありません。虫歯になるとかげかえのない歯質を失うだけでなく、見た目も悪くなってしまうからです。
そこでこれからホワイトニングを始める人やホワイトニング中の人は、次にあげる3つの方法を実践して、虫歯を積極的に予防するようにしましょう。

◎歯磨きはこまめに行う

日本人の1日当たりの歯磨きの回数で最も多いのは「2回」です。正直、これでは不十分といわざるを得ません。おそらく、多くの人は朝、家を出る前と夕食を食べた後に歯磨きをするかと思いますが、その間にも飲食をする機会は複数回あるかと思います。それがちょっとした間食であっても、お口の中が汚れ、虫歯菌の活動が活発化することを忘れてはいけません。

とくにホワイトニング中で虫歯を徹底的に予防したいという場合は、起床時と就寝前、さらには毎食後に必ず歯磨きを行うようにしましょう。そうすることで毎日プラークフリーな状態を保てるようになります。

◎正しい歯磨き方法を実践する

歯磨きをするタイミングや頻度、回数などが適切でも正しいブラッシング方法が身に付いていないと、清掃効果は大きく減少します。そこで重要となるのが歯科医院でのブラッシング指導です。歯磨きのプロフェッショナルである歯科衛生士が患者さん一人ひとりに最適といえる歯磨き方法を指導いたしますので、それを日々の口腔ケアで実践してください。

また、歯磨きの際に使用する器具にも配慮が必要です。標準的な歯ブラシによるブラッシングは基本として、歯並びが入り組んでいて磨きにくい部位にはヘッドの小さなワンタフトブラシ、歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを活用してプラークをゼロにするよう努めましょう。

◎歯科の定期検診を受ける

歯科の定期検診では、上述したブラッシング指導に加えて、お口の中の診査も受けられます。その際、虫歯や歯周病の兆しが見つかったら、早期に対処することで予防へとつなげられることでしょう。その他、プロフェッショナルによるクリーニングやセルフケアでは取り除けない歯石を除去するスケーリングを受けられる点も定期検診の魅力です。
歯科の定期検診は、3~4ヵ月に1回くらいの頻度で受診するのがおすすめです。

歯の神経の治療を行った後のホワイトニング方法

進行した虫歯では、神経にまで感染が及ぶため、抜髄(ばつずい)という処置が必要となります。歯の神経を抜いた後は原則としてオフィスホワイトニングやホームホワイトニングの適応外となるため、次の方法で歯を白くすることになります。

◎インターナルブリーチ

根管内の充填物を取り除き、ホワイトニング材を挿入して歯の内部から漂白します。処置が終わったら漂白剤を取り除くため、施術は歯科医院内に限られます。インターナルブリーチが完全に終了したら、充填物をもとの位置に戻します。

◎ウォーキングブリーチ

ウォーキングブリーチの場合は、薬剤を根管内に入れたまま、日常生活を送っていただきます。施術の流れはインターナルブリーチとほぼ同じです。1~2週間ごとに薬剤を交換して、歯を少しずつ白くしていきます。

◎セラミック治療

歯の漂白処置では改善できないケースには、セラミック治療がおすすめです。セラミック製のチップを貼り付けるラミネートベニアやセラミックの被せ物を装着する方法なら、神経を抜いた歯でもきれいな色に改善できます。

まとめ

今回は、虫歯がある場合のホワイトニングについて解説しました。虫歯がある状態は、歯の神経を傷害したり、充填物を損傷したりするリスクがあるため、原則としてホワイトニングできません。虫歯治療後にホワイトニングを行う場合も本文で述べたような注意点がいくつかることも忘れないようにしましょう。神経を抜いた歯を白くする方法もいくつか存在していますので、関心のある方はいつでもお気軽に当院までご相談ください。

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