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歯科コラム

ホワイトニングで知覚過敏になる原因とは?対処法や予防法等も解説

コラム/2024年4月24日

ホワイトニングで知覚過敏になる原因とは?対処法や予防法等も解説

歯を白くするホワイトニングでは、知覚過敏(ちかくかびん)という症状が現れることがあります。冷たいものがしみる時に生じる「キーン」とした感覚を痛みと感じる人もいらっしゃることでしょう。ここではホワイトニングによる知覚過敏の原因や対処法、予防法について解説をします。

ホワイトニングで歯が痛むメカニズム

歯の構造

ホワイトニングではなぜ歯の痛みが生じることがあるのか。そのメカニズムを理解するためにはまず歯の構造について知る必要があります。私たちの歯は、一番外側をエナメル質、その内側を象牙質で覆われており、中心部分には歯の神経と血管から構成される歯髄(しずい)が分布しています。健康な人の歯は、人体で最も硬いエナメル質が外からの刺激をしっかり遮断してくれるため、ホワイトニングで歯が痛むことはほとんどありません。

けれども、何らかの理由でエナメル質に亀裂などが入っていると、ホワイトニング剤が象牙質までしみ込み、すぐ近くにある歯の神経を刺激してしまうことがあるのです。その結果、起こるのがいわゆる知覚過敏を意味する「象牙質知覚過敏症」です。ちなみに、象牙質には象牙細管(ぞうげさいかん)と呼ばれる細い穴が無数にあるため、冷たい液体や風などが歯質内部へと流れやすくなっています。

ホワイトニングで知覚過敏になる原因

ホワイトニングで知覚過敏が生じる原因としては、以下の5つが挙げられます。

虫歯がある

虫歯菌が産生した酸によってエナメル質が溶かされると、象牙質がむき出しとなるため、ホワイトニング剤がしみやすくなります。

歯周病になっている

歯周病が進行すると、“歯茎が下がる”という症状が現れます。専門的には歯肉退縮と呼ばれるもので、エナメル質のない歯根面が露出することから、ホワイトニング剤でしみるリスクが高まります。

歯が削れている

私たちの歯は、加齢によって削れて行きます。また、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人には、咬耗(こうもう)という形で、歯の表面が削れて、象牙質が露出している場合もあります。そこにホワイトニング剤が作用すると知覚過敏が起こりやすいのです。

歯にひびが入っている

エナメル質の表面にひびが入っていることでもホワイトニングによる知覚過敏は起こります。漂白作用のある薬剤がひびの中に入り込んで象牙細管を伝い、歯の神経を刺激するのです。

ホワイトニングの薬剤の濃度が高い

歯科医院のホワイトニングでは、漂白作用のある薬剤を使用します。ホームホワイトニングでは薬剤の濃度が10~20%程度、オフィスホワイトニングでは30%程度の薬剤を使用することから、後者の方が知覚過敏の症状も現れやすくなります。

知覚過敏はいつまで続く?

ホワイトニングによって生じた知覚過敏の症状は、施術から24時間程度で治まるのが一般的です。それがいつまで経っても治まらなかったり、鎮痛剤を必要とするほど痛くなった場合は、施術を受けた歯科医院に相談しましょう。

知覚過敏による痛みの対処法

ホワイトニング後の知覚過敏の痛みは、以下に挙げる方法で対処することができます。

知覚過敏用の歯磨き粉を使う

市販の歯磨き粉には、硝酸カリウムが配合されたものがあります。硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる刺激を抑える作用が期待でき、知覚過敏にも有効です。フッ素が配合された歯磨き粉を使うことでもエナメル質を強くし、知覚過敏の症状を抑えやすくなります。

鎮痛剤を服用する

知覚過敏の症状が我慢できないほど痛い場合は、市販の鎮痛薬を服用しましょう。普段から飲み慣れているロキソニンなどで十分です。ただし、ホワイトニングによる知覚過敏は、一時的な症状であり、鎮痛剤を必要とするほど持続するものではないことから、鎮痛剤の服用については念のために歯科医院に連絡しておいた方が良いでしょう。

マウスピースの装着時間を短くする

ホームホワイトニングのマウスピースは、2~6時間くらい装着するのが一般的ですが、知覚過敏の症状が強く現れる場合は、1時間程度にとどめましょう。

刺激のあるものは避ける

ホワイトニングをした直後は、知覚過敏の症状がでる場合がありますので、熱いものや冷たいもの、辛い物などを口にすると歯がしみやすくなります。

知覚過敏抑制剤を使用する

ホワイトニングによる知覚過敏の症状は、専用の抑制剤で緩和できることがあります。関心のある方は、知覚過敏抑制剤を取り扱っている歯科医院に相談してみましょう。

歯科医院でコーティングしてもらう

歯科医院では、歯の表面を特別な材料でコーティングする方法で、知覚過敏の症状を和らげたり、予防したりできます。分割ポリリン酸」というホワイトニング成分を配合したホワイトニング剤やトリートメント剤によるトリートメントコーティングによって、歯の表面に着色汚れを付着させにくくする働きがあり、さらに、歯質を強化する働きがあるため、知覚過敏だけでなく、色戻りや虫歯・歯周病の予防ができます。また、コーティングは、歯を守るための処置なので、歯質を削ったりするようなことはありません。

知覚過敏による痛みの予防法

ホワイトニングに伴う知覚過敏の症状を予防したいという人は、次に挙げる3つの方法を実践してみましょう。

予防法①施術前に知覚過敏用の歯磨き粉を使う

知覚過敏の症状を緩和する効果がある歯磨き粉は、施術前に使うことで痛みを予防しやすくなります。知覚過敏用の歯磨き粉は、歯を外からの刺激を守る効果も期待できるからです。とくにフッ素の入っている歯磨き粉は虫歯予防にも直結するため、常用するのが望ましいです。

予防法②ホワイトニング剤の使用方法を守る

ホームホワイトニングは、患者さん自身が自宅で行う施術法なので、取り扱い方法も個人に委ねられます。少しでも歯を白くしたい、即効性を高めたい、といった気持ちで薬剤の量を多くしてしまう場合もあるでしょう。もしくはホワイトニングのマウスピースを長時間装着し続けてしまう場合もあるかもしれません。そうしたイレギュラーな方法でホームホワイトニングをすると、知覚過敏が起こりやすくなりますのでご注意ください。

予防法③歯の欠けや虫歯を先に治しておく

歯の亀裂や欠け、虫歯などがある場合は、事前に歯科医院で治療を受けておきましょう。そのままの状態でホワイトニング剤が作用すると、知覚過敏が起こりやすいためです。

まとめ

今回は、ホワイトニングで知覚過敏になる原因や対処法、予防法について解説しました。オフィスホワイトニングやホームホワイトニングといった歯科医院のホワイトニングでは、漂白作用のある薬剤を使用するため、知覚過敏が起こりやすくなります。

歯の欠けや亀裂、摩耗などがあると、薬剤が象牙質へと浸透して、歯の神経を刺激するからです。そうした歯の異常は事前に治療を済ませて、歯を保護する処置を施しておけば、知覚過敏に悩まされることも少なくなることでしょう。

ホワイトニングに伴う知覚過敏の症状が過剰に現れた場合は、何らかの異常が疑われますので、早期に歯科へ相談した方が良いでしょう。

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